ナイト・フランクのアイアン・ロー専務によると、2015年に海外投資が急増したのは、政府が不動産市況の過熱を鎮静化する措置を導入した結果、住宅、商業不動産の資産価値が低下したためだ。
しかしシンガポール資金が向かった外国市場では不動産が値上がりし、資本利得税の導入、印紙税引き上げなど過熱を抑制するための措置が講じられた。このため投資家の一部は利益確定の売却に乗り出し、市況に改善の兆しが見え始めたシンガポールに再び関心を持つようになったという。
シンガポールの上半期の新築民間住宅販売戸数は6,388戸で、昨年通年の80%という回復ぶりだ。価格面でも値下がりが鈍化している。外国投資家のシンガポール不動産への関心も高まっており、今年上半期の外国資本による土地取得は14件(昨年通年は21件)、投資額は55億Sドル(約4,500億円)。
多くは中国・香港企業による投資で、開発用地の取得が多い。強気応札が多く、落札価格が上がっている。5月の入札では香港の龍光地産と中国の南山集団のチームがクイーンズタウンMRT駅近隣の住宅地を10億Sドル(約800億円)で落札した。
6月には中国の花様年集団のシンガポール法人、ファンタジア・インベストメントがホーガンの宅地を7,580万Sドル(約60億円)で落札した。中国人の海外投資は規制されているが、海外法人経由、当局者とのコネなど、抜け道はあるようだ。
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