この負の連鎖は繋がり、今度は16代ドゥテルテよりアキノは告発を受ける身となった。
アキノは歴代大統領の中で汚職にまつわる話の少ない、フィリピンでは珍しい大統領だが、今回は在任中の交戦事件で告発を受ける。
2015年、ミンダナオ島で国家警察特殊部隊とイスラム系武装集団が交戦し、警察側に44人の死者を生じる事件が発生。
この事件は他のイスラム系武装組織掃討作戦中、イスラム系武闘組織で政治的に力を持つモロ・イスラム解放戦線(MILF)が支配する拠点に警察部隊が踏み込んだために戦闘が発生したとされるが、真相は不明でMILF側も事件解明には非協力。
アキノ政権になって政府とMILFは和平に踏みだし、アキノの任期中に解決を図る予定であったが、それもミンダナオ島の利権を巡って頓挫。その中で起きた交戦で、アキノ政権の不手際が指摘され、交戦で死亡した隊員遺族から行政監察院に告訴されていた。
行政監察院というのは公務員の犯罪行為を調べる機関で、起訴されると公務員特別裁判所で審理が行われる。
告発される内容は、不適切な命令と、軽率な指揮によって44人が殉職したとし、アキノの他に当時の国家警察長官と特殊部隊隊長が起訴される予定。
この行政監察院の方針に対して政府側は歓迎を表明し、アキノ側は控訴棄却の申し立てを行うと声明。
こういった動きに対して在任中に発生した事件に対して、最高指揮官である大統領に刑事責任を持たすのは解釈と運用の誤りがあり、前大統領に対する生贄、意趣返しで大統領の権威をそこなうとの批判もある。
今回は特に就任1年を経過して手詰まり感と成果の少ないドゥテルテ大統領の国内向けの人気取りではないかとの見方もあり、退任後も根強い人気を保つアキノ前大統領と現大統領双方の攻防が注目される。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=415
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