今回のMC社買収はその一環になるが、MC社は2017年3月に輸入したたばこに偽造の物品税納入印紙を貼って販売していた事実が発覚。
フィリピン関税局が摘発、捜索し同月にはMC社の輸入許可が取り消され、国税局から刑事告発され250億ペソ(約550億円)の罰金支払いが命じられていた。
そのような犯罪企業を元日本の公営企業で、民営化されても日本の財務省が3分の1の株式を持つ大株主が買収することに批判はあっても、JTは罰金支払いで苦境に立っているMC社買収を進めている。
両社の交渉によるとJTの海外事業を受け持つ日本たばこ産業インターナショナル社(JTI)が、MT社の製造部門と流通資産を450億ペソ(約1000億円)で買収、MT社はその売却金の中から国税局から命じられている罰金250億ペソを支払うとなっている。
この件に関してMT社は既にフィリピン財務省に報告済みで、罰金の支払い方法まで明記。
それによると250億ペソの内、7月20日までに35億ペソを支払い、残り216億ペソをJTIとの売却契約完了後に支払うとなっている。
これに対して財務省当局はMT社の申し入れを検討していると表明した。
MT社の脱税事件は2010年から発覚するまで輸入したたばこに貼る物品税印紙を偽造し、約379億ペソ(約834億円)の巨額に上っていた。
同社は示談金130億ペソを示して罪と罰を逃れようとしたが、ドゥテルテ大統領が拒否し、MT社幹部が脱税容疑で国税局が司法省に告訴している。
なお、フィリピンの喫煙率は男性44%(世界平均33%)、女性11%(世界平均10%)となっていて男性の喫煙率が非常に高く、喫煙年齢層も非常に低い。
なお、日本の喫煙率は男性34%、女性10%となっていて健康被害が周知されているのに喫煙率は高く、日本の国会で議論されていたレストランなどでの喫煙禁止法案も、業界の意を汲んだ議員によって未成立。
この面で日本は世界の潮流から遅れていることが明らかになったが、JTはその資本力に物をいわせて斜陽ともいえる海外のたばこ事業会社を次々と買収していて、ばば抜きのばばを掴まされているのではと、疑問符が付けられている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=327