判定内容は3人のジャッジが117-111、115-113、115-113の3-0でといずれもホーンの勝利を認めパッキャオの完敗となった。
パッキャオは世界に乱立するボクシング興行組織の大手4団体の世界チャンピョンとして6階級(一説には8階級)を制覇した、自他ともに認められる世界的ボクサーであるが、既に年齢が38歳になっていてボクサーとしての力は往年の力は失っている。
今回の敗戦に対してパッキャオは再戦する意思を表明し、引退説を否定している。
パッキャオは文字通り『腕1本』で稼いだ資金を基に政界に進出し、2010年から2期6年、ミンダナオ島最南部にあるサランガニ州選出の下院議員に当選し、2016年には上院議員選に出馬して改選数12人中7番目、1600万票余を得て当選。
政治的には所属政党を自身の都合で渡り歩く軽さを持ち、上院議員になってからは同じミンダナオ島を地盤とするドゥテルテ大統領の『かばん持ち』追従者として知られる。
なお、パッキャオは議員活動をしながら試合とそのトレーニングを続けていたが、議会で最も欠席の多い議員としても有名であった。
本来なら引退してもおかしくない年齢のパッキャオだが、弟がパッキャオの跡目を継いで下院議員に当選し、妻も1期3年間、地元サランガニ州の副知事をするなど、自身と一族のパッキャオの名を利用した政界進出に金がかかりで金を生む試合を続ける必要があるとまで言われている。
また、本人の資質にもよるが、特にパッキャオの金を目当てにした『たかり』とも言える地元民による援助要請は、選挙の票に直結するため地元州やゼネラル・サントス市などでは数多く見られ、その資金を得るために引退が出来ないのではと見られている。
実際、今回のタイトルマッチでパッキャオが得たファイトマネーは1000万ドルの巨額であり、まだ興行的価値のあるボクサーであることが分かる。
なお、パッキャオは大統領職にも興味を持っていて、何れは立候補するのではと見られているが、スキャンダルまみれながら大物映画俳優と人気を集め当選したエストラダ元大統領の例もあるので、ボクサー上がりと軽視できないのがフィリピンの政界模様と選挙民の気質でもある。
なお、パッキャオの通算成績は今回の試合を含めて68試合中、59 勝(KO38)7敗2分けとなった。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&command=body&no=418&
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