欧州委はローカルビジネスレビューサイトを運営する米イエルプ、米旅行サイト大手トリップアドバイザー、米新聞・出版大手ニューズ・コープなどの申し立てを受け、2010年にグーグルに対する本格調査を開始した。グーグルは制裁を回避するため、検索結果で競合企業のロゴやリンク先のサイトを目立たせるなどの改善策を提示し、和解間近と報じられたこともあった。しかし、欧州委はグーグルが検索結果ページで自社の商品比較サイト「グーグルショッピング」を優先的に表示するなどして競合するサービスを不利な立場に置き、結果的に消費者の選択肢を狭めているとの見解をまとめ、15年4月に異議告知書を送付。グーグルからの反論や利害関係者からの意見聴取を経て、最終的な判断を下した。
欧州委はグーグルに対し、制裁金の支払いに加えて90日以内に反競争的な商慣行を是正するよう求めており、改善がみられない場合は親会社であるアルファベットの1日あたりの平均売上高の最大5%(約1,200万ドル)の罰金を科すと警告している。2016年の総売上高が900億ドルを超えるアルファベットにとって制裁金の支払い自体はさほど大きな痛手ではないが、是正命令によってビジネスモデルの修正を余儀なくされた場合、収益の柱である広告収入に影響が及ぶ可能性もある。
グーグルのケント・ウォーカー上級副社長(法務担当)は声明で「オンラインショッピングの利用者は、欲しい商品に直接たどり着くリンクを求めている。グーグルは広告主と消費者の双方にとってメリットがあるよう、ショッピング広告を表示することで両者をつないでいる」と反論。欧州裁への提訴を視野に欧州委の決定を詳しく検証する考えを示している。
ソース:http://fbc.de/eur/eur4307/
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