米国、EU、日本といった主要市場の今年前半の繊維製品需要は徐々に減少したものの、ベトナムからこうした市場への縫製製品輸出は堅調な伸びを見せたとTruong副会長は話す。
米国への輸出額は前年比およそ9%増の60億米ドル、EUは8%増の23億米ドル、日本は12%増の15億米ドルであったという。
ベトナムは縫製製品輸出で競合国を上回る伸びを記録した。Trade Mapによると、中国は前年比5%以上の減少、バングラデシュは3.5%の減少、インドネシアも5%の減少であった。
しかし、米国のドナルド・トランプ大統領の保護主義的な貿易政策と、米国の連邦準備銀行の利率変動は安定した輸出の伸びに対する脅威となりうる。2016年のように、ベトナムの競合国が国内通貨をさらに引き下げ輸出促進を行う可能性があるとTruong副会長は話す。
ベトナム縫製産業の最大の障壁は他国、特に低コスト大規模生産の中国製品との競争であり、ベトナム企業は品質、価格、納品時期についての要求事項が厳しい世界的なサプライチェーンに参入する必要がある。
繊維産業の大きな問題点は企業への適切な指導がなく、国内企業の長期的な発展に繋がっていないことである。加えて、国内企業と海外資本企業の非健全な競争も問題点の一つである。
熟練労働者の不足、製品開発、資本へのアクセスやマーケティングの限界、外国語による障壁、高い原材料費もまた問題点として挙げられる。
縫製産業は関係省庁がODM(相手先ブランドでの設計製造)方式や、情報技術分野の訓練プログラムを提供し、さらに雇用創出、最低賃金や為替レートなどにわたる論理的な政策を策定する必要があると提言している。
企業が低金利ローンを得るための環境整備や、不法に輸入された物品の排除も国内の繊維産業支援のための重要な課題である。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2932.html