2人は「2人およびシェンヤンの妻リー・スエットファーンは常に監視されていると感じており、国家機関の行使という恐れを抱いている。私の父が建設し愛した国であり、離れたいとは思わないが、シェンロンが唯一の理由だ」とシェンロン氏が首相の座にある限りシンガポールにはいられないと表明した。
スエットファーン氏によると、移民ではなく、シンガポール国籍を保持した状態でシンガポールから離れるという。問題とされたのは父親で初代首相のリー・クアンユー氏が建て家族が住んだオクスリー・ロードの住宅の扱いで、2人は「クアンユーは自身の死後、取り壊しを望んでいることを、公の場でも私的な場でも表明したが、シェンロンは陰で保存に動いている。父親の威信を相続することができるためだ」とした。
シェンヤン氏はその証拠として、歴史的・遺産的価値を考慮し、同住宅を保存するか取り壊すかを検討する閣僚委員会を内閣が設けたことを取り上げた。シェンロンは、同住宅に関する政府決定に関与しないとの約束をたがえた、とシェンヤン氏は主張した。
タン・キーヨン内閣官房は14日夕刻の声明で、委員会設置決議に首相は参加しなかったと釈明した。シェンヤン氏の長男リー・シェンウー氏もフェイスブックに投稿。「シンガポール政治へのコメントは回避してきたが、今回は例外だ。過去数年、私の家族は権力の乱用が抑制されていないとの懸念を強めてきた。このため両親は移住という重大な決断に至った」と述べた。
●首相はフェイスブックで反論
シェンヤン氏とウェイリン氏の声明に対し、休暇で海外滞在中のシェンロン首相はフェイスブックへの投稿で反論。「家族内の事を公にしたことに落胆した。妻と私が息子(リー・ホンジ氏)について政治的野心を抱いているとの主張はばかげている」と真っ向から否定した。
さらに「2015年3月の父親の死去以降、長男として家族内の問題解決に最大限努力してきた。2人の声明は父親の遺産を損なった」と述べた。フェイスブックの投稿に対し15日夕方の段階でリアクションは22万件に上った。
オクスリー・ロードの住宅にはウェイリン氏が住んでいる。閣僚委員会は、家の扱いについてどう望むかの意見を首相、シェンヤン、ウェイリンの3人に聞いているが、シェンヤン、ウェイリンの両氏はまだ回答していない。