伝統的にバイーア州がカカオの産地として最もよく知られているが、今年は少し様相が異なるようだ。
TVグローボが5月21日、アグリビジネス報道番組「グローボ・フラウ」で伝えたところによると、2017年はバイーア州よりもパラー州で収穫増が見込まれるという。
今年はバイーア州での降雨量が少ないことが直接的な原因だが、いくつか増産に関する障害があるようだ。
同州イリェウス市にある、50ヘクタールのカカオ農場では、15ヘクタールが火事で焼け、何百というカカオの木が失われた。この地域は干ばつになると火事が起こりやすいという。
「一年半前のことです。雨不足で乾燥していたことが原因で、畑が火事になりました。それが当農場に大損害をもたらしました」(農場主、ヴィルジリオ・アモリン・ベルベルチ氏)
2012年、バイーアは18万トンのカカオを生産していたが、2017年の生産量見込みは、せいぜい11万トンどまりと言われている。
この時期は例年なら第1収穫期にあたり、多くのカカオが実をつけている時期だが、カカオ農園で熟した実を見ることは少ない。
カカオ農園で25年働くヴァウヂール・ヒベイロ氏はこれほどの干ばつは経験したことがないという。
「収穫の時期にカカオの木が枯れているのを見るのは心底悲しいです」(ヴァウヂール氏)
この四半期にはある程度の降雨量が見込まれているため、カカオの木は生き延びられると見られている。とはいえ、十分な手入れが必要だ。
「バイーアのカカオ産地ではいよいよ堆肥の使用をふくめ農地の肥沃化を計画的に進めていかなくてはなりません。新たに木を植えても、土に栄養がなければ木は育ちません」(パラー州カカオ生産計画特別委員会(Ceplac)コーディネイター、ハウル・ヴァーリ氏)
バイーアで失われたカカオ樹林を再生する試みが続く中、生産量を順調に伸ばしているのが北部のパラー州だ。今年の同州での生産量は前年比+6%と見込まれている。
(文/原田 侑、写真/Sidney Oliveira/Ag. Pará)
ソース:http://megabrasil.jp/20170615_36328/
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