英メイ首相、過半数取れずEU離脱への影響必至。日本企業への影響
メイ氏率いる保守党は、先の下院総選挙で12もの議席を落としたばかりか過半数を失い、逆に議席を大きく失うと見込まれていた最大野党労働党は32議席伸ばした。メイ氏の掲げるEU強硬離脱(ハードブレグジット)の基盤を固める選挙だっただけに、離脱交渉に及ぼす影響は大きい。
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⓵棚ぼた首相と揶揄されることもあるメイ首相の地盤強化
⓶下院選挙で勝利した政党のマニュフェストを上院は原則覆さないという「ソールズベリーの原則」によってEU離脱手続きの簡略化
⓷支持率低迷にあえいでいた労働党に大勝が見込める
という背景から、保守党は総選挙に踏み切った。
誤算だったのは
⓵大学の無償化、鉄道の公有化などの政策を掲げた労働党が若者から支持を集めたこと
⓶テロが頻発し、内務省時代に警察官削減に関わったメイ首相が批判のやり玉に挙げられたこと
⓷EU離脱を支持する比率の高い、自身の支持母体ともいえる高齢者層にたいして社会保障の自己負担増加を求め、反発を招いたこと
⓸公開討論の参加を断り強い首相のイメージを損なったこと
などが挙げられる。
今後、与党を維持するために保守党が連立を打診したと北アイルランド統一党(DUP)はハードブレグジットには反対の立場を表明しており、組むとなれば離脱交渉の長期化も見込まれる。
イギリスからEU大陸国に拠点を移す日本企業も増えているが、混迷を極める離脱騒動はどのような結末を迎えるのだろうか。
>>あわせて読みたい 『EUが英離脱交渉の準備完了、首席交渉官に権限付与』
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