放火・襲撃事件で38人が死亡した「フィリピンのカジノ」が営業免許停止へ
フィリピン国内の宝くじやカジノを管轄する政府の公社『PAGCOR(Philippine Amusement and Gaming Corporation)』が、6月2日に起きたカジノ発砲・放火事件に関して、襲撃されたカジノを運営する会社に対して事件解明中のカジノ営業免許を停止すると発表。
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同事件はフィリピン財務省を馘首されたマニラ市在住、42歳の男が引き起こし、同人はギャンブルによって数百万ペソの借金を抱えていた。
このため同人はカジノへの出入りが禁じられていて、それを逆恨みしてのカジノ襲撃事件を起こし、同人は襲撃後にカジノ内のホテル一室で焼身自殺。
事件を引き起こした人物のように、国内カジノへの出入りが禁じられているギャンブル依存症者は、PAGCORによると500人以上に上っていて、同様事件は銃器の野放し状態のフィリピン国内状況から再び引き起こされる可能性があると見られている。
同事件ではカジノに居た客と従業員計37人(事件は襲撃者の自殺を加えて38人の死亡)が襲撃者による放火で生じた煙によって窒息死していて、防炎措置のない内装設備や可燃物や排気装置などのカジノ側の不備が発覚している。
また、武装した襲撃者がカジノの金属探知ゲート外から入る時、制止しようとした警備員が銃を見て逃げる様子などが監視カメラに写っていて、確信犯に対する防ぎきれないカジノの警備状況も明らかになっている。
なお、襲撃犯はカジノ襲撃2時間前に、マニラ市内で元警察官など2人を殺害している容疑も持ち上がっている。
今回のPAGCORの決定に対してカジノ運営会社は、消防と警察の調査が完了するまで早急に営業を開始する予定はないと言明しながらも、カジノ以外の店舗や飲食店などはすぐにでも営業を再開したいと意向を示した。
PAGCORはフィリピン全土でホテル内を中心としたカジノ運営会社の免許を与えていて、セブにも多数存在する【写真はその一つマクタン・セブ国際空港ターミナル前にあるホテル】。
今回の事件はフィリピンのギャンブル中心の観光行政に多大な影響を与えたと関係筋は立腹しているが、泡のようなギャンブル依存で観光業、しいては経済政策を昂進させようという政府の考えそのものにも問題があるのではないかと指摘されている。
このため、下院ではカジノ入場料を3000ペソ(普通労働者の賃金半月分)にして、ギャンブル依存者を排除する法案が審議されているが、入場料でハードルを高くしてもギャンブル狂の金持ちを遇するだけと世論は冷ややか。
>>あわせて読みたい 『ベトナムにて自国民のカジノ入場を解禁、3月15日より3年間試験的に』
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