EU・トルコ首脳会談、人権問題は平行線
欧州連合(EU)のトゥスク大統領と欧州委員会のユンケル委員長は25日、ブリュッセルのEU本部でトルコのエルドアン大統領と会談した。EU側は強権姿勢を強めるトルコ政府に対して強い懸念を抱いており、今回の会談では人権問題が中心議題となったが、双方の溝は埋まらなかった。
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トゥスク大統領は会談終了後、ツイッターに「人権問題を協議の中心的テーマとして提起した」と投稿した。一方、欧州委の報道官は記者団に対し、「良好な雰囲気の中で共通の関心事について話し合われた」とコメント。経済関係や難民問題などについて協議したことを明らかにし、「EUとトルコは協力関係を続けなければならないし、続けるだろう」と強調した。
エルドアン政権は昨年7月の軍の一部勢力によるクーデター未遂事件をきっかけに、強権政治を加速させている。クーデター首謀者の支持勢力に対する弾圧に加え、13万人以上の軍人や公務員を解雇し、反対意見を持つ学者やジャーナリストらを追放。さらに、4月に実施された大統領権限の強化を柱とする憲法改正の是非を問う国民投票に勝利したことを受け、エルドアン大統領は死刑制度の復活を示唆している。
EUは死刑を禁止しており、復活させた場合は加盟交渉が打ち切られる。EU内ではオーストリアなどから交渉停止を求める強硬論も出ているが、難民問題などでトルコとEUは密接な関係にあり、4月末の外相会議では、EUとしては交渉の扉を閉ざさず、トルコ側に意思表示を求めるべきだとの意見が多数派を占めた。ただ、エルドアン大統領はブリュッセル出発に先立ち、トルコは「物乞い」のようにEU加盟を乞うつもりはないと述べ、EU側がトルコを加盟国として迎えたいかどうか決めるべきだとの考えを示した。
ソース:http://fbc.de/ost/ost33020/
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