この機会を最大限に活用するため、ベトナム企業は協定が求めるルール、特に原産地についてのルールを遵守すべく準備を進めるべきだと業界専門家は話す。
ベトナムの繊維産業にとってヨーロッパは魅力的な市場である。2016年の輸出実績は350億ドルに上り、米国に次ぐ規模である。
ベトナム繊維協会(VITAS)のTruong Van Cam副会長は、原産地ルールがこの協定の最も重要な点だと述べる。
ベトナムの繊維・アパレル企業は、原材料をベトナム産、あるいはEUのパートナー国から輸入されたものとしなければならない。
国内の繊維・アパレル産業は未だ輸入原材料に大きく依存しており、その多くが中国、韓国、台湾から輸入されている。生地を例に挙げれば、86%もの原材料を輸入している。
繊維協会のVu Thi Phuong副会長は、国内企業は投資計画と事業戦略を見直し、加工賃方式(CMT)の委託請負生産モデルから受注生産販売(FOB)、オリジナルデザイン製造(ODM)へと転換するべきであると述べた。
厳密なルールを別とすれば、この自由貿易協定はベトナム側にとっては市場参入へのチャンスであり、EUのパートナー国の原材料を使った製品は関税面で優遇されるとPhuong副会長は話す。
ベトナム・EU自由貿易協定においては、EUと自由貿易協定を締結している韓国の生地は原産地ルールで認められており、優遇関税の対象となる。
繊維協会の統計によると、繊維・アパレル産業は毎年100億米ドル以上の原材料を輸入しており、中国がその50%以上、韓国が18%、台湾が15%を占める。
ベトナム企業が中国からの原材料調達を続ければ、EUとの自由貿易協定による恩恵を得ることは難しくなると繊維協会は説明する。
ヨーロッパ側の業界専門家は、ヨーロッパ市場への参入拡大のためにはベトナム企業はルールを研究し、関税優遇策のロードマップへの理解を深める必要があると話す。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2884.html
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