ドイツの被用者の7割が労働時間に満足、ワークライフ・バランスが重要要因に
ドイツの被用者の労働時間に対する満足度は比較的高いことが、金属労組IGメタルが実施した大規模なアンケート調査で分かった。私生活とのバランスを取りやすい職場で働く人ほど満足度が高い傾向にあり、被用者の関心の重心は労働時間の短縮から“時間の融通が利く”など私生活との両立へと移行しているもようだ。
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IGメタルは幅広い業界の7,000社強で働く被用者68万人以上を対象に1月にアンケート調査を実施した。それによると、契約上の労働時間が週35時間以内の人は計55%と過半数を占めた(下のグラフ参照)。ただ、残業が全くない職場は少ないため、実際の労働時間が35時間以内の人は22.5%にとどまった。
一方、35時間以内の労働時間を希望する人は67.9%に達しており、多くの被用者で実際の労働時間とのギャップが極めて大きい。それにもかかわらず、70.9%が労働時間に多かれ少なかれ満足していると回答した。背景には労働時間を減らせれば減らしたいものの、優先度はそれほど高くないというスタンスの人が多いことがある。
労働時間への満足度の高い被用者と低い被用者の違いがどこにあるかを理解するためには、それぞれの職場環境をみる必要がある。
同満足度が高い被用者に「(急な残業を命じられないなど)プライベートな時間の計画を立てやすい環境にありますか」と質問したところ、「はい」は93.6%に達した。一方、労働時間に不満を持つ被用者では同比率が48.1%とほぼ半分にとどまった。
「子育てや介護、資格取得のために労働時間を一時的に減らせる環境」も満足度を高める重要な要因だ。そうした環境があるとの回答は満足派で66.1%に上ったのに対し、不満足派では32%に過ぎなかった。
被用者の不満を高めやすい要因としてはこのほか、◇私用で職場を数時間、離れることができない◇希望の労働時間と実際の労働時間のギャップが大きい――がある。
IGメタルは介護や子育てがワークライフ・バランスを充実させるうえで大きな課題となっていることを踏まえ、子育てなどで労働時間を減らした被用者に「調整手当を支給すべきだと思いますか」とも質問。「はい」と「どちらかと言えばはい」の合計は84.2%に上った。給与支給額を大幅に低下させない措置が導入されれば、育児や介護を目的とする時短勤務の利用が増えると予想される。
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