同社は国際協力機構(JICA)の支援を受けて、フィリピンが抱える廃棄プラスティックのリサイクル事業に取り組み、セブのゴミ投棄場所である地域で試験工場を実施。
JICA支援による同事業は2015年に終了したが、今回、同社は引き続き同事業を推進し新たな操業に至った。
JICAの調査によるとセブ市の人口87万人が捨てるゴミは毎日500トンに上り、それらほとんどをコンソラシオン町にあるゴミ捨て場に投棄していて、これはセブ市に限らず近隣市、町のゴミ処理は同様で増える一方のゴミ対策が急がれていた。
中でも、セブ市のゴミの日量500トン中、プラスティック類が11%、量にして55トンを占めていて、これらプラスティックは自然分解しないために、その処理対策が喫緊の課題となっていた。
今回、正式に操業した同社コンソラシオン工場では1時間当たり最大4トン、1日では最大約80トンの処理能力があり、現在の従事者18人をさらに増やせば処理能力は増加するとしている。
同社工場で処理された廃棄プラスティックは『フラフ』と呼ばれる繊維状になり、これは火力を必要とする工場で燃料として使われ、石炭などよりも燃焼後に環境に優しいとされている。
現在、同社は生産したフラフをセブ島中部西側にあるセメント工場に納入中で、同社はこの他セブ島には日本の大手セメント工場もありそちらへの供給も有望であるとしている。
こうして、廃棄プラスティック工場が稼働しても、フィリピンではゴミの分別収集など行われていなくて、一部自治体では分別収集を決めている所もあるが、実際は有名無実で、何よりもゴミを捨てる住民の意識が低いことが一番の問題だと指摘されている。
最近セブの一部自治体ではスーパーなどで使われていたプラスティック袋の全面禁止を施行しているが、これはプラスティック袋の問題ではなく平気でゴミを捨てる問題から来ている。
特に容器などプラスティック製品の多いファーストフードのゴミを道端にポイ捨ては目に余り、これは学校教育の現場から教える必要もあるが、日本でもゴミの道徳的確立は数十年かかったことを考えると道は遠い。
※画像出典元:http://www.guun.co.jp
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=322
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