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中国に敗北したインドネシア高速鉄道計画に大幅な遅れ、日本企業を望む声も

 
首都ジャカルタから南東に約120kmの西ジャワ州を結ぶジョコ政権下最大級のインフラ開発では、当初日本の新幹線方式が導入されることが有力視されていた。しかし、日本が新幹線方式で開発する予定で、調査や事業計画も済ませた段階で、中国は同等の設計案で低コスト案を提案した。政府支出を好まなかったジョコ政権は中国案に乗り換えた。
 
中国は日本が5年案で計画を立てていたところ、3年案を打ち出した。しかし、現状の進捗は5%程度と言われており、2019年の開業には間に合わないだろうとの声が高まっている。
 
その背景には、用地買収問題がある。現在も一部地域で地主との交渉が続いており、未解決のままだ。買収が終わらなければ、事業資金の75%を賄う中国開発銀行からの融資が受けられなくなる。計画段階でその現場を高速鉄道が通過することは分かっていたはずだが、中国側は果たしてしっかりとした事前調査をした上で計画を立てたのか、疑問が浮かぶ。
 
今後も海外の高速鉄道受注商戦において日本企業のライバルとなるのは中国だ。低コストとスピードを売る中国に対して、日本企業は信頼性や安全性で勝負する。インバウンド効果で、国内で新幹線を使う訪日外国人が増加したこともあり、日本の新幹線方式の評価は世界で右肩上がりだ。今後のさらなる受注獲得に期待ができる。
 
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