今回のデータは観光庁が、中国、台湾、香港、韓国、アメリカを対象に、分析対象としたSNS等の規約を遵守しつつ、公開されたSNS投稿情報から、日本のインバウンド環境に関する発言を抽出し、分析した結果である。
結果、話題の多かった内容は『公共交通』、『通信環境』、『多言語表示・コミュニケーション』であった。
『公共交通』においてはJapan Rail Passなどの周遊パスへの好評が上がった。その一方で、バスや電車の「公共料金」が高いということや、特に地方では未だ英語表記に対応していないところも多く、駅や電車の利用が難しいという声が上がっていた。
今後は、私鉄電車やバスなどにおいても連携した周遊パスのようなキャンペーンが求められる。また、訪日客の地方訪問需要も高まっている中、地方の公共交通の利便性を上げるために、各駅英語表記に対応していく必要がある。
『通信環境』においては、「Free Wi-Fiのスポットが少ない」という不満が見られた。欧州などでは観光客向けに、各主要施設や飲食店ではもちろん主要公園などにもFree Wi-Fiスポットが設置されている。それに比べると日本のFree Wi-Fiスポットは少ない。
今後は、各施設や飲食店などでも今後は訪日客に対応するためにFree Wi-Fiスポットの設置が必要となってくる。
『多言語表示・コミュニケーション』においては、駅や飲食店の多言語表示への好意的な声があがったものの、サービススタッフとの英語コミュニケーションが取れないなどの不満の声も上がった。
今後は、飲食店などのサービス業や公共交通や施設においても、表記のみならず英語コミュニケーション対応がより求められていく。
日本政府観光局は、2020年に4000万人の訪日外国人の受け入れ目標を立てている。2016年度は前年度比約20%増の2400万人を突破しており、2020年に向けて訪日外国人客は急増している。その中で、このような訪日外国人の声を汲み改善し、よりよいインバウンド受け入れ環境を整える事が日本企業に求められる。
>>>合わせて読みたい『最新版!訪日客数推移(2017年3月現在)、急拡大するインバウンド市場の商機』
(参照)http://www.mlit.go.jp/kankocho/news08_000237.html