ベトナムの製靴業界は、2016年、ベトナムがTPPに参加する12カ国の一つであるという情報を前に期待に沸いていた。
協定が実行された場合には、靴業界は、米国や日本など輸出市場を手に入れ、大きな利益をあげられることになる。
このことから、多くの企業が、工場を拡張し、機械を輸入し、TPPの準備のための新しいパートナーを見つける計画を練っていた。
しかしながら、TPPに新たな情報がない今、製靴業界は新しい方向性を見いだした。
Binh Tan消費材生産会社(Bita’s)の代表によれば、韓国、ロシア、カザフスタン、ベラルーシ、さらにはEUといった国々との二国間及び多国間自由貿易協定(FTA)により、BITA’Sだけでなく、ベトナムの製靴業界の輸出製品は、TPP同様の優遇税率を享受でき、多くの市場に参入できるチャンスを手にするという。
KPMGベトナムのNguyễn Công Ái副社長によると、TPPが実行されればベトナム製靴業界は米国市場をターゲットにする。しかし、TPPが機能しなくても、日本、オランダ、ドイツ、韓国といった他の市場を開拓する道は残っているという。
Ba lô Túi Xách株式会社Võ Thị Thu Sương社長はまた、ベトナムの製靴業界はまだ新しい市場開拓の機会を持っていると述べた。「重要なのは、どの輸出市場にもデザインを持って駆けつけることができるように準備をすることです」とSuong社長は語る。
現在、ベトナム製の履物・カバン製品は、米国市場を含む40の市場に輸出されているが、最大市場の米国向けは41%を占める。ベトナム皮革製靴カバン協会のDiệp Thành Kiệt副会長、TPPなしでも、ベトナム製菓業界は、経済の安定基盤があり、良質の労働力豊富ため、競争上の優位性を失うことはないという。ベトナムは現在アジアで3番目、世界で4番目の靴生産国で、世界市場の10%を占める。
アセアン経済共同体(AEC)の形成は、地域諸国に比べて利点が大きいことから、ベトナム履物産業の発展を推進することになる。「特にAECで、ベトナムは他の国々と協力し原料調達先を見つけ出し、新しいサプライチェーンを開発するできるようになります。各企業は投資コストを削減し、原料輸入を減らし、付加価値を高め、輸出市場で競争力を維持することが可能です」とKiệt副会長は言う。
ここにおいて、ベトナムは東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉も行なっている。が、協定の内容と目的はTPPほどではないが、アジアの貿易を促進し、新しいサプライチェーンへの投資を誘致し、地域の魅力を高めるという重要な役割を果たす。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2847.html
>>あわせて読みたい 『ベトナムの現地履物メーカーはTPP消滅にも動じず 【前編】』
>>あわせて読みたい 『ベトナムの現地履物メーカーはTPP消滅にも動じず 【後編】』