ハイブリッドはもう古い? トヨタを始め世界の自動車メーカーがPHVに注力する理由
さる4月9日に終了した「バンコクモーターショー 2017」で話題となっていたのが、現地でも人気を集めるBMWとメルセデスベンツの両社が、そのブースの大半をPHV(プラグインハイブリッド車)をズラリと展示したことだった。
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タイにPHV(プラグインハイブリッド車)を始めとするエコカーが普及しているのかと問われれば、もちろんまだまだ発展途上であるし、当然ながら、ガソリン車やディーゼル車よりも割高だ。
しかし、今後、タイ政府がアジア周辺国に先駆けて、次世代エコカー振興策に取り組んでいる背景を考慮すると、同国のモーターショーにて、両社が虎の子のPHVを大々的にアピールした理由も納得できる。
さて、日本でPHVのホットな話題と言えば、トヨタが今年2月より国内で発売した、「プリウスPHV」が、発売後約1ヵ月で月間目標台数の5倍となる約12,5000台を受注したことが挙げられるだろう。
また、すでに昨年より、エコカー先進国のアメリカでは「プリウス Prime」というネーミングで販売されており、今年の4月にはワールドグリーンカーに選出されたことで話題となった。
そして、ここで注目したいのが、アメリカで販売している「プリウス Prime」は、日本国内の「プリウスPHV」よりも低い価格設がされていることだ。
その大きな理由として推測されるのが、アメリカ・カリフォルニア州を始めとする10州において、今秋より販売される2018年モデルから、HV(ハイブリッド車)がZEV(Zero Emission Vehicle)認定の対象外となるということ。
ちなみにZEV認定とは、アメリカ・カリフォルニア州における排出ガス規制で、排出ガスをゼロにしたクルマ(ゼロエミッションビークル=ZEV)の導入を義務づけた法律を指す。
アメリカにおけるこのZEV規制強化によって、2018年以降、自動車会社各社がこぞって新型のEV(エレクトリックビーグル=電気自動車)やPHVのリリースを拡大していくことは必然となっており、同時に世界中でエコカー開発の動きも活性化している。
さまざまな要因から“エコカー後進国”とされる日本では、先述のZEVのような電気自動車関連の規制がないことから、エコカーと言えばいまだにHV(ハイブリッド車)が主流とされているが、すでにアメリカ市場におけるエコカーの主役はPHV(プラグインハイブリッド車)へと移行している。
そして、東京五輪が開催される2020年を目安に、トヨタとホンダも日本市場へのEV(エレクトリックビーグル=電気自動車)投入を予定しており、トヨタと包括提携しているマツダも、今後のEV開発を発表している。当然ながらライバルのホンダも、2018年以降のEV量産を見据えている。
世界中の自動車メーカーが、今後の更なる排ガス規制強化を受けて、EV開発を進めていく中、HV(ハイブリッド車)の需要が次第に低くなっていくことは容易に想像できるはずだ。
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