最悪のシナリオ「欧州崩壊」リスク拭えず。仏大統領線が今後を左右
欧州が揺らいでいる。23日に実施されたフランス大統領選の第1回答票の結果、中道系独立候補のマクロン氏と極右政党・国民戦線(FN)のルペン氏が5月7日の決選投票に進む見通しとなった。最悪のシナリオは仏の欧州離脱による「欧州連合(EU)崩壊」だ。仏大統領線の結果は、欧州への展開を進める日本企業にも大きな影響を与える。
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イプソス/ソプラ・ステリアの出口調査によると、マクロン氏の得票率が23.7%ルペン氏は21.7%で両氏が決選投票に進む見通しとなった。
ロイターによると、マクロン氏は金融市場が歓迎する穏やかな規制緩和路線や、財政健全化を掲げる。対するルペン氏は、減税や社会保障の拡充、自国通貨「フラン」の復活、さらにはEUからの離脱を訴えている。世界で民衆の不満の声をすくい上げ、極右的な政策転換を掲げる大衆迎合主義(ポピュリズム)が台頭する中、フランスでもルペン氏の勢いが増している。
2015年11月13日の、イスラム過激派組織(ISIS)によるパリ同時多発テロ事件以来、フランス国内ではテロが相次ぎ、緊張が高まっている。また、フランスの失業率は深刻であり、15〜24歳の失業率は30%を超えている(日本は6%)。国民の不安不満が高まる中で、ポピュリズムが台頭しているのである。
仮にルペン氏が大統領に就任し、英国に続き、フランスがEU離脱を決めれば、EUや通貨ユーロの求心力は大幅に低下する。ドイツやイタリアでも少なからずポピュリズムの影がでており、EU崩壊という「最悪のシナリオ」を迎える可能性もある。
そうなれば、欧州へ進出する日本企業への影響は大きい。欧州単一市場の崩壊は、各国と貿易をする上でビザや関税などの問題が発生してくる。欧州横展開の際にも、各国ごとの規則に対応しなければいけなくなる。いずれにしても、今後の欧州から目が離せなくなっている。
>>>合わせて読みたい『EUは崩壊?世界で台頭する「ポピュリズム」が日本企業に与える影響は』
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