2017年3月と2016年3月の国別訪日外国人数を比較した。
(出典:日本政府観光局)
表からわかるように、アジアと米国からの訪日客が多くなっている。その中で韓国は前年同月比30.6%増、インドネシア34.5%増、ベトナム31.8%増、ロシア43.9%増、米国12.6%増で高い伸び率を記録した。
韓国では訪日PRやLCCの増便が影響。インドネシアやベトナムでは、経済成長により中間層や富裕層が増加し、毎月訪日客が増加傾向にある。日本にあまり馴染みのなかったイスラム教徒圏からの訪日客が増加しており、飲食などに厳しい戒律のある「ハラル市場」への対応も急がれる。
ロシアからの訪日客増加は、1 月に訪日ロシ ア人に対する査証発給要件が緩和されたことが影響しており、今後も増加が予測される。また米国や欧州などでも訪日PRのメディア露出が増加していることもあり、今後も増加が期待される。
総じて、2014年以降急拡大するインバウンド市場において今後も拡大し続け、政府の掲げる2020年に4000万人を突破する目標に現実味があるといえる。
今後のインバウンド市場においては、「季節ビジネス」に商機が拡大する。訪日客の需要が「消費」から「体験」に移行している中、日本の4季は大きな強みとなっている。2月3月は、ウインタースポーツや雪を目的にした訪日客が増加しており、4月は「サクラ」を目的にした訪日客が増加している。お花見をしている外国人の姿も目立っている。季節ごとの「体験」をPRすることがインバウンド商機をつかむ上で重要となる。
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