2016年まで、ブラジル経済は落ち込みを見せていた。資源大国であるブラジルにとって2014年頃からの資源価格の低下は大打撃となった。また、オリンピックによる経済成長が見込まれていた中で前政権の汚職が発覚し、レアルは急落し続け、国民の購買意欲も低下していた。経済はマイナス成長を続け、外資企業からの投資も遠ざかっていたのである。
しかし、2016年までは低迷をみせたものの2017年以降は成長が見込めそうだ。原油価格の回復も期待されている中で、南米経済の約半分を占めているブラジルでは、労働生産年齢人口拡大と中間層拡大、そして、政策金利12.25%の超高金利によるレアル高傾向が起因して購買力は急拡大。 その中で、インフラ、観光、商業、エネルギーにおいて成長の余地があり、テメル新政権も安定性をみせており、経済成長への期待が高まっているのである。そして商機拡大するブラジルへの、日本企業の進出も相次いでいる。
住友商事や日本製鋼所、ダイソーはブラジル進出している。住友商事と日本製鋼所は風力発電向け鍛造品製造販売事業を展開しており、ダイソーは現地出店から今後はeコマース事業も拡大するという。
今後は、資源を活かしたビジネスや、豊富な労働力を活かした製造業、そして人口増加と経済成長に後押しされるによる巨大消費市場への進出商機が拡大する。さらなる日本企業の進出が期待できる。