「米国第1主義」を掲げるトランプ氏は、選挙期間中から米国内への移民・難民の入国に対して厳しい姿勢を取るべきだと公言してきた。就任後はイスラム圏からの入国を禁止する大統領令に署名し、排他的主義な政策には世界から批判が集まった。今回の入国審査の厳格化の目的も、あくまで「米国の保護」だ。
入国審査が厳格されれば、グローバル化により加速されていたヒト・モノ・カネの移動にも影響を与えかねない。現在はヒトの動きのみであるが、今後トランプ氏が最優先解決課題としている貿易赤字の改善のために国境税の調整が進めば、日本製品にも高関税が欠けられ、モノ・カネの動きにも歯止めがかかる。日本自動車メーカー等、米国輸出で好調を維持していた企業には大きな打撃となる。
そうなれば、考えられる日本企業の対応手段は、米国内での拠点設立・生産・販売となる。そして、それはトランプ氏の掲げていたシナリオどおりの展開となる。トランプ氏は自身の高役人反する国や企業には容赦なく「口撃」するが、自身の公約実現にメリットなることに対しては積極的な受け入れ姿勢を見せている。日本企業にとってもトランプ氏の掲げるインフラへの巨額投資や国内での雇用拡大において、進出商機が拡大することが予測される。
>>>合わせて読みたい『「トランプリスク」が現実に。米国が日本製品に、最大約50%の増税方針』