TVグローボが4月2日、経済情報番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」で伝えたところによると、ヴェーガン向け”精肉”店がサンパウロにオープンしたという。
ブラジルのヴェーガン人口は現在約6百万人と推計されるが、年々増加しているため、ヴェーガン商品市場は今後も成長が見込まれる。
そんな中で「ヴェーガン用肉」を売る店がサンパウロで初めてお目見えした。
バルボーザ夫妻が営む「ノー・ボーンズ」は昨年12月にオープンしたばかりだが、すでに固定客もしっかりつかんでいるという。
主力商品はレンズマメや大豆でできたハンバーグやソーセージ、木の実でできたチーズなど。レシピを考えるのは妻のマルセラさんで、一番の売れ筋はドライトマトのソーセージだという。大豆でできた串焼き「肉」、野菜スペアリブも人気とのことだ。
お店のおすすめは野菜スペアリブだが、原材料にはエリンギを用いている。食感が評判とのことだ。
軽食類ではコシーニャ(ブラジル風コロッケ)の具として、熟していないジャカ(ジャックフルーツ)を刻んで詰めた商品も人気だ。
オープンの日、夫妻が全く想像していないことが起こった(次ページへつづく)。
バルボーザ夫妻が「ノー・ボーンズ」のシャッターを上げると、500人の客が並んで待っていて、2000点用意していた商品は2時間で売り切れてしまったのだ。
夫妻がこの事業に投資した金額は6万レアル(約230万円)で、オープンして間もないにも関わらず、すでに月商3万レアル(約115万円)を達成している。
ヴェーガン市場の熱さを伝えるベンチャー企業がもう一つある。サンパウロ市内で葉野菜、根菜、穀物ほか植物性の原材料から食品の製造販売を行っている、家族経営の企業「クリナラ」だ。
クリナラは肉・魚だけでなく卵、乳、はちみつ不使用の完全な植物性食を追及している。
事業主のフェルナンダ・トノボーンさんは、自分たちが作っているのはあくまで日常食だという。
「私たちは特別なごちそうではなく、日常の食事として商品を提供しています。ベジタリアンの人たちや健康的な食事を求める人たちに対する一つのオプションです」(フェルナンダさん)
フェルナンダさんとその父ホベルトさんは2012年から冷凍食品を製造販売しているが、昨年(2016年)、二人ともヴェーガン食に転向したため、自分たちの食事も兼ねて今の商品 ラインナップで商売を行うようになった。
「私たちが製造販売している商品には保存料や冷凍食材は一切使っていません。以前と同様に厳しい製造管理のもとで作っています。ただ扱う商品が植物由来になっただけです」(フェルナンダさん)
「ノー・ボーンズ」、「クリナラ」の両方に共通しているのは、ヴェーガンでなくてもおいしく食べられる商品を作っている点だ。
健康にいいからといって、不味いものを我慢して食べてはくれないのがブラジル人。ヴェーガン向け食品は、健康と食の喜びの両方を追及する貪欲な消費者に支えられた、確実なマーケットと言えるかもしれない。
No Bones – The Vegan Butcher Shop(ノー・ボーンズ:ヴェーガン精肉店)
住所:Rua Caraibas, 1243 – Perdizes São Paulo/SP – CEP: 01254-000
電話: (11) 3862-9576
ウェブサイト: http://www.nobones.life
Email: hello@nobones.life
Kulinara(クリナラ)
電話: (11) 2325-8247
ウェブサイト: www.kulinara.com.br
E-mail: contato@kulinara.com.br
Facebook : www.facebook.com.br/Kulinara
(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Pequenas Empresas & Grandes Negócios」/TV Globo)
ソース:http://megabrasil.jp/20170405_35002/2/
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