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ベトナム中流階級が選ぶファッションブランドとは? 〜成功者のための服〜【上編】

  
H&Mの広報プレス担当のElnaz Barari氏はVietnam Economic Times誌に対し、「ベトナムはH&Mにとって潜在的な可能性を秘めた興味深い市場であり、当社のファッションと品質、多彩なスタイルはベトナムのお客様に受け入れて頂けると確信しています。」と述べた。
 
H&Mは現在、64カ国に427の実店舗を展開しているが、2017年には、ベトナムに加えてコロンビア、アイスランド、カザフスタン、ジョージアにも店舗をオープンさせる予定としている。
H&M社のKarl-Johan Persson CEOは11月30日にベトナムでの開業について明らかにした際、H&M社の当年度の世界売上が7%増となる見通しを発表した。
 
スペインの廉価衣料品・アクセサリー小売業を営むZaraは、H&Mより先の昨年9月に、ベトナムで最初の店舗をオープンさせており、このブランド初号店の華々しい賑わいは、まだ収まるところを知らない。
 
ハノイから来た顧客のNgoc Linhさんは、ホーチミン市第1区のVincom Center内にあるZaraで服を買うために列に並んでいた。
「私はZaraのスタイルが好きです。ファッショナブルだし、価格もお手ごろです。」と彼女は言った。
 
Linhさんは現在20歳で、ベトナムの旧世代のように「ただ食べることや着ることに精一杯」ではなく、「おいしい食べ物、美しい服」が必要と感じている若者世代に属する。
Zaraの前にも、Mango、GAP、Topshopなど他の中堅・低価格ファッションブランドがベトナムに進出しており、定期的に新しい店舗をオープンさせている。
 
「ファッション市場はベトナムの若くて裕福な世代の増加に伴い、数十億ドル規模にまで拡大しています。」とVF Franchise Consulting社CEOであるSean T. Ngo氏は述べた。
「高品質のファッションブランドに対する需要は、個人所得が増加し、中流階級の可処分所得が上昇するにつれ高まっており、小売全体でビジネスチャンスが増加しています。」
 
ベトナムではトレンドファッションからカジュアルウェア、エキゾチック、ボヘミアン、アート、ビジネス、ゴシック、ロッカーまで、様々な分野におけるファッションブランドが軒を連ねる一方で、Channel、Gucci、Ferragamo、Louis VuittonやBurberryなどのオートクチュールブランドも存在する。
 
しかしMango、Zara、Gap、Banana Republic、Marks & Spencerなどの海外ブランドを含む大衆向けブランドが、引き続きこの市場において支配的であることは言うまでもない。
日本の有名なUniqloを始めとするその他大衆向けのグローバルブランドがベトナムに参入してくるのも時間の問題である。
 
「ベトナムの消費者、特に高所得層は、高級ブランドやラグジュアリーブランドを志向するようになっています。」とInfocus Mekong ResearchのマネージングディレクターであるRalf Matthaes氏は述べた。
 
ベトナムの消費者は一般に日用品や生活必需品などの支出を節約し、個人のステータスを高めるために節約資金を支出するが、特に海外ファッションブランドに支出が向けられる傾向にある、と彼は続けた。
 
Photo by Mike Mozart on Flickr
 
(中編につづく)
 
ソース:https://www.digima-news.com/20170403_16140