ジーンズ生産の最終段階で使用される機械が原因となり、労働者Kul Samorn(45)が死亡したことで、センソク地区のプノンペントメイコミューンにある中国系のZhen Tai 繊維工場は警察の調べを受けている、と地区長のChhum Saray氏は発表した。
インタビューに応じた目撃者によると、午前11時40分頃爆発したボイラーは衝撃で空中に打ち上げられ、100メートルほど離れた工場の屋外カフェテリアの上部に落下したという。
「詳しくはまだわかりませんが、蒸気ボイラーの熱により高い圧力がかかったことが原因である可能性があります。」とSaray氏は語った。
工場労働者のSok Sonaは、昼食が終わり工場ドアに向かって歩き戻っている最中に「ボーン」という大きな音を聞いたという。
「蒸気ボイラーは地面を跳ね返り、労働者の頭部を直撃し、彼女は死亡しました。」負傷者の中には妊娠中の女性もおり、骨折した者や頭部にヒビが入った者もいるという。
セキュリティガードのYoeun Phanit氏は、ボイラーの担当者による不注意が今回の爆発を招いた可能性もあると述べ、内部の水を沸騰させ蒸気にするボイラー底の火が消されておらず、それが高熱を生み出した可能性があると説明した。
「担当者達はバルブを閉めた後、火を消すのを忘れていたのかもしれません。彼らが昼食に出かけている最中に機械内部の熱が上がり、爆発したのです。」
Phanit氏によると、機械の操作担当者は事故後に警察の調べを受けたという。
死亡したKul Samornの義理の姉であり同工場の労働者でもあるKul Sannyは、事故発生時には化粧室にいた。彼女が他の労働者から聞いた話によると、今回爆発したボイラーは以前にも一度爆発したことがあるという。
なお、彼女は工場側が家族に約1000米ドルの賠償金を支払うことを希望している。
When Tai繊維工場は、輸出工場における安全・公平な労働環境を目標とした国際労働機関のカンボジア工場改善プログラム(Better Factories Cambodia/BFC)に登録している。BFCのウェブサイトによると、同工場は2015年10月に監査を受けており、「労働者による自由な組合の結成・参加」「労働時間中の避難ドアの解錠」という2つの「重要な問題点」が発覚していた。
しかしながらBFCのプログラムディレクターEsther Germans氏によると、12月に実施された監査結果はまだウェブサイトに反映されておらず、最新の監査では同工場に問題点が見つかっていなかったという。
「通常、この種の機械は監査中に安全関連の文書も含めてチェックしています。」とGermans氏はメール文中で説明した。
Germans氏は本日工場を訪問予定で、またBFCによる今後の監査でも機械の安全性を最優先すると述べた。
「プログラムの工場との今後の働きでは、機械の安全性を含めた労働安全衛生(OSH)問題を優先するのは確かだと思います。」
Zhen Tai工場のほぼすべての労働者を代表する、政府系列の労働組合Khmer Union Federation of Workers Spiritは、工場側が事故の責任を取るべきだと述べた。
「今回の事故は工場の技術的ミスが原因であるため、工場側が賠償の責任を取るべきです。」と組合の人事部長Thong Soeun氏は述べた。「工場は医療・治療費、交通費、その他の福利を支払うべきです。」
Soeun氏によると、組合は今後の経過を密接に観察し、被害者にはサポートを行っていくという。
Levi Strauss & Co.社のスポークスマンは、「今回の事故にあった被害者やその家族の皆様にはお悔やみ申し上げます。爆発に関しては深く懸念しています。」と述べた。
「本日の事故に関しては我々も調査を開始しました。」とスポークスマンはメール文中で述べ、被害者やその家族にきちんと補償が行き渡るよう Levi’s社も工場と協力していくことを説明した。
なお、Zhen Tai工場の役員はインタビューに応じておらず、レポーターも工場敷地内に立ち入ることを禁じられている。
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