長く、厳しくなる2年間の幕開け、英国がEU離脱へ、3月にリスボン条約通知
英国のメイ首相は3月末までに、欧州連合(EU)離脱手続き開始に向けたリスボン条約第50条発動を通知する見通しだ。しかし、EUとは離脱条件や将来関係について交渉は始める前から、最後まで合意できずに離脱する可能性もある。長く、厳しくなることが予測される英国EU離脱への2年間がついに始まる。
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英国はEUを離脱するまで、リスボン条約第50条発動を通知してから2年間の交渉期間に入る。その期間内にEUと主に「離脱時の条件」、離脱後の「通商関係」の交渉を進める。英国はEU離脱後も、EU市場と相互アクセスが可能な「単一パスポート」を失いたくない。EU市場と現行の通商関係を継続したい考えだが、交渉前から合意不可能の可能性がある。
理由として、EU側が交渉に後ろ向きであることがある。英国が離脱決定前に約束した、EU予算の分担金で最大600億ユーロ(約7.3兆円)の支払いをしないと交渉に応じない姿勢を見せている上に、値切りも全くしないことを表明している。2年間の交渉期間が終了すれば英国の離脱は決定するため、EU側としては2年間の間交渉に応じず、英国の離脱を見送るということも可能だ。
交渉が合意しなければ、英国はEU離脱した後、EUと世界貿易機関(WTO)のルール上でEU市場とアクセスすることになる。現行0%の自動車輸出の関税も10%に引き上げられ、EUとの資本やサービスの移動の自由も失うこととなる。
そうなるとやはり、進出する日本企業にも大きな影響を与えることになる。英国を拠点にEU市場に進出を進めてきた日本企業は少なくない。実際、他の外資企業も含めて英国からの移管を進める企業も増えてきている。いずれにしても、2年間の交渉期間から目が離せない。
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