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「脱石油依存」のサウジアラビアに、日本企業のチャンス広がる、理由とは

 
サウジアラビアの人口は約3200万人(2016年)。そのうちの約半分が25歳未満である同国は消費市場として大きな可能性を秘めている。日本国内の市場が縮小する中で、若者社会のサウジは、日本企業にとって魅力的な市場だ。その一方で、懸念されていたのが「石油依存」経済だ。世界での原油価格下落の影響もあり、3年連続で赤字収支となっていた。失業率も10%水準であった。
 
そこで、2015年にムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が中心となり打ち出された経済大改革が「サウジアラビア・ビジョン2030」である。2030年までに世界のGDPランキングで現在の19位から15位まで押し上げる事を目標に掲げた改革案だ。インフラや製造業、エネルギー分野での改革を打ち出し、急拡大する若者への雇用の受け皿を生み出し、経済成長に繋げる狙いである。
 
今回、「ビジョン2030」実現のために、製造業やIT分野でも先進する技術を持つ日本への協力要請のためにサルマン国王は来日した。以前まで、サウジアラビアへの日本企業の進出は遅れていた。原因として、同国当局の審査の厳しさ、ビザ発給に長期間を要すること、サウジアラビア人を一定数以上雇わないといけない、などということがあった。
 
しかし今回、サウジアラビア側は審査やビザ、雇用などの外資規制の緩和に加え、インフラや製造業における税制優遇特区の設立をすることを発表した。他にも、医療、農業、投資、文化の投資も重点分野とされる。
 
各分野において日本企業とサウジ企業の連携強化が期待される中で注目されるのは、日本郵便とサウジポストの連携強化だ。国境を超えた電子商取引(越境EC)分野が加速され、有望なサウジ消費市場への「日本製品」普及が期待される。いずれにしてもサウジ進出へのハードルは大幅に下がる中で、有望な消費市場には日本企業のチャンスが広がる。