ハワイ・ホノルルやニューヨークで、酒イベント「ジョイ・オブ・サケ」を主催するクリス・ピアース氏によると、1994年以来、米国での日本酒売上高は年率約8%の水準で成長しているという。日本酒の輸出量が2001−2012年で2倍以上に伸びている中、その約3割の量がアメリカ向けとなっている。
また、昨年イギリスでは、堂島麦酒酒醸所によって、同国初となる日本酒を作る酒蔵が作られることが発表された。年内にはイギリス産の日本酒が誕生する予定であり、イギリスを足がかりとした欧州での日本酒シェア拡大に期待ができる。では、そこまで世界で日本酒の人気が高まっているワケとは。
まず、先行する「日本食ブーム」の影響がある。「スシ」や「ラーメン」が先行して人気を高め、特に米国では日本企業や現地企業による開業が相次ぐ中、へルシーでスタイリッシュな日本食に合う「高級酒」として、日本酒の人気が高まっているのである。現地日本食レストランでの日本酒の取扱も増加し、新しいものを求める米国人から多くの人気を集めている。
また、インバウンド市場が拡大していることも後押しし、日本酒の認知が高まり、世界でもそのプレゼンスを高めている事がある。米国のみならず欧州各国や東南アジアからも増加する訪日観光客にとって、日本で初めて「日本酒」を味わう経験を得る人も少なくない。インバウンドが日本酒市場の世界へのPRを牽引しているのである。
「ジャパニーズワイン」と言われる日本酒は、世界でもその味の質の高さを証明しつつある。インバウンド効果に相乗し、大手メーカーのみならず、地産の日本酒製造企業に喪章機が拡大する。
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