OECD、日本・世界共に2017年経済成長率の上昇予測も、拭いきれない不安
経済開発協力機構(OECD)は、2017年の世界経済成長率は3.3%と16年の3%から上昇し、18年はさらに加速して8年ぶり高成長に達する見込みであることを発表した。日本の実質経済成長率も、円安輸出が後押しし、前年比1.2%になると予測。しかし、長期的にみると米国のトランプ政権や、欧州で高まるポピュリズムによるリスク懸念は拭いきれず、数字では成長路線だが不安は残る。
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トランプ大統領が公約する、大型減税やインフラ投資により、米国が牽引する世界財政拡大が期待されている。しかし、未だ具体性にかけ、米国に一方的に投資を引き寄せる保護主義的に手法には、長期的にみると単発的な財政にはやはり不安は残る。
欧州では米国の影響を受け、ポピュリズムが台頭し、フランスやドイツなどの欧州連合(EU)離脱リスクが残る。各国が保護主義に走れば世界で貿易戦争が勃発するリスクもあり、強い国は生き残り、弱い国は滅亡に向かう構造が目に浮かぶ。
そういった影響は日本にも間違いなく影響を及ぼす。今回の予測では、足元のドル高円安によう輸出増への期待から上方修正となったが、トランプ氏による国境税の調整が実現すれば大打撃となる。
EU連合と昨年末から提携を進めている経済連合協定(EPA)も、欧州リスクにより、不透明だ。国内市場が縮小に向かっている中、海外への輸出で国内成長を後押ししたいが、長期的にみるとリスクは拭いきれない。リスクは直ちに顕在化しないかもしれないが、現実味のある可能性であり続けている。直近の数字上では成長を見せ、安堵感を持てるように見えるが、慎重な姿勢を崩せない。
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