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ベトナムのアパレル業者、英国のEU離脱(Brexit)の影響を懸念

 
EUはベトナムにとって世界第2位の輸出先市場となっている。

一方で、ベトナム・EU間自由貿易協定(EVFTA)は調印済であるものの、その発効は2年後である。
 
ベトナムのアパレルメーカーは、今年は中小規模の受注に注力しているが、高級品の受注獲得についても優遇特恵関税制度(GSP)を享受する国々と競争に明け暮れている。
Vinatexの子会社では第1四半期末までの雇用確保に必要な受注は確保しているものの、第2四半期には危機が訪れる可能性があるとの声も出ている。
英国のEU離脱(Brexit)のニュースが駆け巡った直後、ベトナムの繊維・アパレル部門は輸出売上目標を310億米ドルから290億米ドルに引き下げることを求める文書を商工省に送った。
 
ベトナム繊維アパレル協会(Vinatas)のVu Duc Giang会長は、英国に製品の約50%を輸出している企業では、その受注が減少する恐れがあると説明した。
 
英国はベトナムアパレル製品にとって最大の輸出先であり、EUに対する総輸出額の約21%を占める。実際のところ英国市場からの需要は急激に減少している。
英国のEU離脱は英国市場に輸出するベトナム企業に影響を与えるだけでなく、英国からのベトナム投資にも影響を与えている。一部の英国投資家はベトナムでの生産を縮小し、工場を売却しようとしている。
 
またシーフード輸出業者は、為替レートの変動に苦しめられそうである。
 
英国はベトナムから直接シーフード製品を輸入しているため、英国のEU離脱はベトナムの対英国シーフード輸出に影響を与えないと予想されているが、英国のEU離脱によるポンド下落はベトナムの輸出業者に打撃を与える恐れがある。
EUはカントー市の多くのベトナムの養殖会社にとって3大輸出先市場の一つであるが、英国もまた巨大な輸入国であるため、企業はポンドとユーロ両方の通貨価値下落に苦しむことになる。
 
ベトナムのシーフード輸出業者協会(VASEP)によると、ベトナムの英国に対するエビ輸出高は2016年の最初の4ヶ月は39%も増加したが、英国のEU離脱に関するニュースが報道されて以来、その増加率は16%にまで減少した。
 
EUを主要輸出先市場と捉えている履物メーカーも、英国とEU間の政策がどのようになるのか不透明であるため、2017年の受注の先行きについて心配している。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2773.html
  
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