ブラジルの健康食品市場、5年間で約2倍に
TVグローボが2月19日、番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」で伝えたところによると、ブラジルの機能性食品・アレルギー対応食品(以下「健康食品」と総称)の売上高が過去5年間で98%増加したという。
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ブラジルは主に南部・南東部を中心にイタリア、ドイツ、スイスなどヨーロッパからの移民を受け入れてきた歴史がある。そのため社会的にもヨーロッパの影響が強く、消費行動もヨーロッパの潮流を受け継ぐ傾向がある。
健康食品市場の拡大も、ヨーロッパの影響の一部とみられる。
大都市圏では健康食品専門のチェーン店が庶民的な駅ビルでもみられるようになり、健康食品志向富裕層だけでなく中流階級の日常生活にも深く浸透しつつあることを感じる。アレルギーを持つ人々にとってはずいぶん暮らしやすくなったと言えそうだ。
この根強い消費意欲を受けて、ブラジルのスーパーマーケットチェーン、パゥン・ヂ・アスーカルなどでも専用のコーナーを設けて健康食品販売を本格化させている。
このようなブラジルの健康食品市場を支えているのは、質の良い商品を提供する中小零細企業主だ。
乳糖不使用・グルテンフリー菓子製造販売会社「ボーロ・シェリー」を経営するハケウ・アフーダさんは、2013年に自分の工場を設立し起業した。投資資金は30万レアル(約1150万円)で、現在の月商は5万レアル(約190万円)だという。
商品の販売は主にネット直販、パン屋・スーパー・健康食品専門店経由で行っている。
乳糖不使用・グルテンフリー食品の工業製品はすでに定着はしているが、都市生活者にとって不可欠なテイクアウト食品でアレルギー対応食品を見つけるのは難しい。
起業家研究が専門のマルセロ・ナカガワさんによると、まだテイクアウトのランチなどのニッチな分野にさらなる市場拡大のチャンスがあるという。都市生活者にとってテイクアウトランチは生活に欠かせないため、マルセロさんはランチ分野にまだまだ商機があるとみている。
ハケウ・アフーダさんもアレルギー持ちランチ難民の存在に注目している。乳糖不使用・グルテンフリー軽食ラインの製造販売を始める準備を始めた。
「市場があるなら、お客様が待ってるならどこにでも行きますよ」(ハケウさん)
健康食品市場に参入する起業家は製造販売する製品の食品にブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)の規格に合った表示に気を配る必要がある。
「食品の混入、特に二次汚染を防ぐ仕組みが必要です。分別加工、清掃・洗浄の徹底など厳しい基準を守っている場合にのみ乳糖不使用・グルテンフリーなど健康食品としての表示が可能だからです」(ブラジル特殊機能食品産業協会(ABIAD)副会長、カルロス・エドゥアルド・ゴウヴェーアさん)
ANVISAの規制ではすでに食品にグルテンを含むか含まないか明記することとなっているが、乳糖を使用しているか否かの表示については今年から規制が始まった。
栄養士のマリアーナ・ドゥトラさんによると、健康食品ブームはSNSでかなり広がっているが、健康管理の専門家からきちっと指導を受けながら進めると効果が得られる可能性はあるという。
「今日では誰もが健康食品の恩恵や効果を記したブログなどにアクセスすることができます。ブロガーがブログで触れた商品を次から次へと買っては変えていくのではなく、本当に効果があるのか、きちんと調査して使う必要があります」(マリアーナさん)
Bolo Chérie(ボーロ・シェリー)
所在地: R. Sebastião Rodrigues, 205 São Paulo/SP – CEP: 05451-060
電話: (11) 2338-2446
ウェブサイト: www.bolocherie.com.br
Email: contato@bolocherie.com.br
Associação Brasileira da Indústria de Alimentos Para Fins Especiais e Congêneres
(ブラジル特殊機能食品産業協会 ABIAD)
所在地: Av. Iraí, 79 – Indianápolis São Paulo/SP – CEP: 04082-000
電話: (11) 2787-6306 / (11) 2787-6276
ウェブサイト: www.abiad.org.br
E-mail: abiad@abiad.org.br
(文/余田庸子、写真/Divulgação)
ソース:http://megabrasil.jp/20170303_34126/
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