3月1日付香港各紙によると、1000万ドルの費用をかけたという金庸館は広さ2500平方フィート、内部は古代の旅館を模した造りになっている。
展示品300点余りのうち、約200点が金庸氏の家から貸し出されたもので、ほかの約100点は金庸の研究者や収集家からと一般公募で寄せられたもの。
そのうち最も貴重なのが、1968年にシンガポールの『新明日報』に掲載された『笑傲江湖』の原稿で、同作が香港よりもシンガポールで先に発表されたという証拠なのだという。
金庸館によれば、金庸は1967年にシンガポールで『新明日報』を創刊したときに読者獲得のため『笑傲江湖』の連載を始め、その約1カ月後から香港の『明報』で連載を始めたが、その後シンガポールの休日には毎回、中文紙が休刊したため、掲載の進度は『明報』が追い越したと話している。
金庸の小説は、テレビドラマ60本、映画40本として改編されており、ポスターや主題歌も館内に展示されている。また、マルチメディアやインタラクティブ展示もあり、金庸の作品に関する知識を問うクイズや物語の主人公に変身できる写真館などが楽しめる。
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