この発表に対して、『今頃やってどういうことかと』批判は強い。昔から警官が押収した車両が関係者側に返却されないで、警官の私用に使われていることは数多く、それを指摘する声はあった。
しかし、銃で武装されている警察組織に異議を唱えることはこの国では難しく、泣き寝入りとなることが多かった。
しかし、ドゥテルテ政権が進める、『違法薬物関与者抹殺』政策で、その実働部隊であったPNPの本部内で韓国人誘拐・殺害事件が現職警官の手で発生し、ドゥテルテは激怒してPNPを『違法薬物関与者抹殺』の現場から遠ざける決定をした。
ドゥテルテはPNPの綱紀粛正を宣言し、その一環として今回の車両ネコババ洗い出しが始まったが、どこの国の警察も身内に甘い体質は共通していて、汚職などで『悪徳警官』と内部で認定したPNPの警官50人近くが、馘首もされず反政府武装組織活動の活発なミンダナオ島西部の島に移動、赴任という措置が取られた。
PNP本部は今回の身内の『車両ネコババ撲滅作戦』を遂行する上で、ネコババが判明した警官に対して懲戒処分及び刑事訴追すると圧力をかけているが、本当にやる気があるなら、何も事前に取り締まり開始をわざわざ発表しないで抜き打ちでやるべきと批判されている。
この摘発の方法だが、警察署内に長期間、駐停車している車両のナンバー・プレートや購入履歴を確認してネコババ車両かどうか明らかにするとしているが、PNPの大々的な発表がされればこれら疑惑の車両は移動して隠蔽するのは容易い。
特に近年激増している密輸オートバイや盗難オートバイなどは車と較べて取り回しが簡単なために悪徳警官は署内から目の届かない所に移動し、素知らぬ顔をして使用するのではないかと見られている。
これに対して、署内だけではなく道路上でも交通警察の巡回で、不審なナンバーや登録証など検査をし摘発に努めると弁解するが、仮に警官のネコババ使用が路上で露見しても身内同士のもみ消しが行われるとの懸念が強い。
信頼回復にやっきのPNPだが、今回の車両ネコババ警官以外に、空き巣などの被害に遭った家が盗難届を出すと、捜査に来た捜査員が去った後は物が紛失する事例も数多く、家に入った捜査員の動きに片時も眼を離してはいけないとも言われている。
そのくらい信用のないPNP、一朝一夕で信頼は醸成出来ない。
ソース: http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=403
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