世界の工場として、著しい経済成長を遂げた中国。現在は、世界1位の人口数約14億人の中で、中間層や富裕層も急拡大し、世界から注目の集める超巨大消費市場へ変化した。しかし、国内産業は依然として成長し続けるも、成長低迷をみせ始めていた。そのため、中国経済の成長対策として、中国政府は内需の拡大に着力したえ。
中国政府の施策として2つある。1つ目は減税政策。小型車減税措置や農村部などへの家電消費減税などで、消費を促しました。2つ目は公共投資。2008年に、鉄道・道路・空港・水利などのインフラ整備や低所得者層向けの公共住宅建設、省エネ投資などに総額4兆円の投資を施した。結果、国民の経済力が高まると同時に、内需を拡大させることに成功しましたのである。
そして、そのような内需の拡大は先進する欧米各国はもちろん、アジアの新興国各国の経済成長も後押しした。アリババなどの、国境を超えた電子商取引(越境EC)の普及で、国外製品の購買が容易になった。そのため、新興国の国内産業からも大量のモノが中国に流入し、巨大市場中国への輸出が近隣の新興国各国の成長を後押ししたのである。
そして、新興国の成長は日本輸出産業に好影響を与えている。もちろん同国内経済の発展により、自動車などの購買率が上がり、世界でシェアを拡大し続ける日本車メーカーの輸出や現地参入の増加。また、新興国からの訪日客が増加し、日本製品の認知・評価が高まり、現地での内需拡大も輸出拡大の後押しとなった。新興国の成長が今の日本輸出をさらに後押ししているのである。
さらに、中国の小型車減税措置は同国内での日本車の販売も促進し、日本車メーカーにとって米国同様主力市場の1つとなている。
実際に日本の輸出額は2007年に約85兆円で過去最高額を記録した後、一時停滞したものの、順調に成長し続け、2015年は75兆円だった。そういった成長背景には、中国経済の成長と国家戦略の存在が大きい。
>>>合わせて読みたい『世界貿易均衡の不安にWTOが動く、「貿易円滑化協定」で輸出拡大』