カンボジアの縫製工場労働者ら、給与未払いで「宙ぶらりん」状態に【後編】
(前編より)
一方、Chung Faiニット工場の労働者達はすでに6か月以上同様の問題に取り組んでいる。
昨年7月、Chung Faiニット工場の中国人経営者は、数百名もの労働者に対し最終賃金やボーナス、及び労働法規定の退職金手当を支払うことなく国外逃亡した。
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100名以上の工場労働者は数週間に渡り、プノンペンの地方裁判所と、同工場から長年製品を購入していたイギリスのショッピング企業Marks & Spencer(M&S)のオフィスの前で抗議活動を行ったという。
M&Sが工場オーナーに連絡を取り両者の仲介役を果たすか、未支払いの賃金を支払ってくれるかと労働者たちは期待していたものの、M&Sはこれまでのところ関わりを持つことを拒否している。
13日、Chung Fai工場に11年間勤務していた抗議者代表のKhorn ChivenはM&S前での抗議活動を続行すると述べ、もし無視されればより大規模なストライキを計画しているとKhmer Times紙に対し語った。
「規模の大きなストライキの決行時期を明らかにすることはできませんが、実行しなければならないのは確かです。」とChivenは述べた。
彼らは数ヶ月間仕事やお金を得られず、首相の注目を得るために官邸の前で行進を行うことも計画していたという。
「私自身、賃金と年功加俸等その他の福利を計算したところ、3000米ドルほどになりました。」とChivenは述べた。
彼らは先週、M&Sのオフィスがあるプノンペンタワー前で抗議活動を行い、募金箱の設置も行った。
7か月以上前に工場が閉鎖して以降、彼らは何の賠償も受け取っていないという。
労働法の規定によれば、彼らは工場の閉鎖後48時間以内に最終賃金と退職金を受け取っているはずであり、家族の生計を工場収入に頼っていた労働者たちは心理的、身体的、そして経済的にも悲惨な状況に陥っている。
工場オーナーの逃亡以降労働者の一人が亡くなり、もう一人が自殺を試みている。
Chivenは、エネルギーが無くなるまで抗議活動を続けると語った。
労働組合と市民社会組織は年々増えつつあるこうした問題を訴えかけているが、政府官僚はそれに無関心であるという。
多くの人々が、国内で操業する工場に対して、工場閉鎖に備えた相当額の「保証金」をカンボジア銀行に預けることを当局が義務化することを提案している。
しかしながらChung Fai工場の労働者はM&Sに批判の矛先を向け、製品がどのように生産されているかを知り、サプライヤーが法を遵守しているか確認するのはM&Sの責任であると主張した。
「製品がどのように生産されているかを知ることは彼ら(M&S)の責任です。労働者たちはただ衣料品を生産しているだけで、ブランドやバイヤーがどの工場から製品を買うかを決めているわけではないし、彼らと契約関係を持っているわけでもありません。」と労働者達を擁護するアメリカ国際労働連帯センターのSok Phany氏は述べた。
「例えM&Sが、彼らの衣料品や製品を生産するChung Fai工場の労働者達と直接の契約関係にないとしても、厳密に言えば、労働者達は彼ら(ブランド)のために働いているのです。」
(前編はこちら)
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