フィリピン・ドゥテルテ大統領の不正蓄財が告発される
2015年5月に実施された大統領選の直前の4月に、大統領選に立候補していたドゥテルテ(当時はダヴァオ市長)【写真】は、トリリャネス上院議員から同市長名義で複数の銀行支店に総額24億ペソ(約52億円)が2006年から2015年にかけて取り引きが行われていたことを指摘され、その口座取り引きに関して公開するよう求められていた。
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このため、ドゥテルテは首都圏ケソン市にある大手商業銀行支店の口座公開を表明したが、当選によりこの問題は有耶無耶にされていた。
しかし、同問題を追及している同議員が2月16日、大統領とその家族が総額24億ペソを不正に蓄財していることを裏付ける口座記録を関係者から入手したことを記者会見で発表。
同議員は証拠の書類を手にして『改めて大統領に口座履歴と預金額を公開するように』と、迫り『もし、この疑惑指摘が間違っていたら、私は即座に上院議員の座を降りる』と言明。
さに、2011年から2013年にかけてダヴァオ市の実業家から1億2千万ペソが、大統領と家族の銀行口座に振り込まれている事実も明らかにした。
同議員の指摘について、大統領本人は『事実ならすぐに辞める』と疑惑などないと一蹴。
また、大統領側の取り巻きは事実を否定し『問題があるなら、司法など公的機関に委ねて明らかにすべき』と同議員のマスコミを通じての暴露に強い不快感を表した。
ドゥテルテは当選後の『違法薬物関与者抹殺』政策で一時は高い支持を受けていたが、その他の反政府勢力との和平交渉の打ち切りなど政策的に行き詰っているが、好調な経済成長が続いているために大統領への大きな非難、批判の声は大きくならない。
今回同議員がドゥテルテを告発したのは、同議員は野党側に属するため、大統領へ揺さぶりをかけたと見られるが、ドゥテルテ当選後にドゥテルテ陣営に鞍替えした議員が多数派のため、同議員のパフォーマンスに過ぎないという見方もある。
フィリピンの歴代大統領は大資産家出身であったアキノ母とその子の前大統領以外は、在任中に不正蓄財する過去の歴史があって、その頂点に立ったのはマルコスで、この頂点に見習って政官財で不正に蓄財する行為は珍しくなく、いつまでたっても汚職天国の汚名をフィリピンから外すことができない状況となっている。
今回の告発以外にも、ドゥテルテには巨額な大統領選資金を中国系財界人から受けている疑惑などあって、『ドゥテルテよ、お前もか』と一票を投じた人の嘆く声も聞こえる。
ソース:http://ur0.pw/BHUn
>>あわせて読みたい 『ドゥテルテ政権“思い付き政策”のツケ? 反政府武装勢力との停戦破棄』
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