ブラジルで、規制前のドローンビジネスに熱気
被災地への食糧配達、山村への医薬品の配送など、新しい流通の形を提示して注目を浴びているドローンビジネス。このリモートコントロール型の超小型無人ヘリコプターは便利さの反面、騒音、衝突の危険、プライバシーの侵害などの問題もあり、各国が法整備を進めつつある。
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現段階でブラジルにはドローンに特化した法規制はない。ブラジル国家民間航空機局(ANAC)が現在法整備に向けて動いている段階だという。
そんな流動的な状況でも、ドローンに魅せられた事業主は意に介さないようだ。
TVグローボが2月12日、経済情報番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」で伝えたところによると、ブラジルでドローンに特化した起業家や関連サービスが人気になっている。
航空分野での新技術に強い関心を持つルイス・ギマラインスさんはドローンの輸入販売とメンテナンス、組み立て方・操縦方法に関するセミナーを行う会社を立ち上げた。初期投資額は4万レアル(約145万円)で現在の年商は360万レアル(約1億3000万円)と上々だ。
ドローン本体の販売価格は1300レアル(約4万7000円)から90万レアル(約3240万円)と、用途によって大きく価格が異なる。
「初めてドローンを見た時、すぐに買って組み立ててみました。最初は興味本位で、撮影ができる小道具を扱う事業、的な感覚で始めましたが、次第にこの市場に対する需要が大きいことを感じるようになりました」(ルイス・ギマラインスさん)
現在ドローンに関してブラジルで認められているのは販売、メンテナンス、飛行テストとレクリエーションとしての飛行のみだという。
一方、ルイスさんの顧客はほとんどがプロのユーザーで、ドローンは事業用の資産として購入されることが多い。
流通面だけでなく、人が入れない場所での調査・撮影、イベント会場の監視などに利用されているのは日本と同じだが、国土が日本の23倍というブラジルでは農場・工場、不動産会社の物件など広大な敷地のモニタリングや紹介画像撮影など、より幅広く利用されている。
ドローンを新たに購入しようとする人たちにコンサルティングを行うハケウ・モリーナさんは言う。
「私たちは購入者にまずドローンを使う目的をはっきりさせるべきだと伝えます。現段階では法案に提示されている通り使う際にはしかるべき役所へ届け出ておくべきだと思います。法令としては効力はなくても、現場で最も良いとされる方法に従う意味はあると思います」(ハケウ・モリーナさん)
ANACによれば近いうちにドローンの使用に関する法規制の内容が公開されるという。規制の内容が公開されるまではANACで特急審査を受けたか試験飛行の認証を受けた人のみがドローンを使用することができるとのことだ。
(文/余田庸子)
ソース:http://megabrasil.jp/20170216_33927/
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