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GDP成長率低調のマレーシア、2017年はOPEC減産合意もあり回復基調か

 
マレーシアはアジアで唯一の石油の純輸出国であり、資源輸出国である。2014年に原油価格が下落して以来、マレーシア経済は打撃を受けていた。2016年度も原油相場の低迷は続き、マレーシアの資源輸出は伸び悩んでいた。世界は「環境ブーム」に向かっており、資源輸出国のマレーシアにはさらなる打撃となった。
 
また、昨年に就任が決定した米トランプ大統領による利上げ政策への予測から、マレーシアなどの新興国からは米ドルへ資金が流出した。その影響でリンギット安に拍車がかかり、インフレへ突入。輸出産業による経済成長の後押しの期待がかかった中で、インフレが輸出産業を伸び悩ませた。リンギ安なのに輸出産業が伸び悩んだ結果、リーマンショック以来の低い伸び率を記録したのである。
 
その中で、今後の経済成長回復に向け、マレーシア政府は個人消費の拡大と観光業の成長に期待している。
 
まず、マレーシアでは近年の著しい経済発展により中間層や富裕層が拡大している。個人の所得拡大による消費拡大が見込まれており、中間層や富裕層を中心に消費を促すことで経済成長回復を狙う。
 
そして、マレーシアは観光資源が豊富である。首都クアラルンプールにはインバウンド向けの大型ショッピングモールがある。そして、首都郊外にはリゾート地などもあり、観光地として人気を集めている。インバウンド市場は今年も伸びることが予測されている。
 
また、昨年12月に石油輸出国機構(OPEC)による原油の減産合意が決定したことはマレーシアの資源輸出に大きな好影響を与えることが予測される。実際にマレーシアの石油・ガス関連銘柄の株価が上昇し、2017年は回復基調となりそうだ。

さらに、現在タイのバンコクとマレーシア間、マレーシア・シンガポール間で高速鉄道新設の計画が進められており、アジアのハブである両国との間で物流コストが下がることで、輸出拡大にさらなる拍車が掛かりそうだ。
 
総じて、マレーシアは今後回復基調にあることが予測される。未だ不透明・不安定さが拭いきれない中、重要となるのは進出タイミングの見極めとなりそうだ。