日中の高速鉄道輸出では日本がリードか、世界で評価高まる「日本式」
「新幹線」輸出で日本と中国の競争が加速している。コストやスピード感を武器にする中国に対して、日本は安全性や正確性、性能の高さを武器にした「日本式」で勝負する。インバウンド市場が拡大し、訪日観光客による国内の「新幹線」の利用が高まる中、世界からの評価は右肩上がりをみせている。
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中国はインドネシアで高速鉄道受注を日本から勝ち取った。日本が新幹線方式で開発する予定で、調査や事業計画も済ませた段階で、同等の設計案で低コスト案を提案したため、インドネシアは中国に委託することを決めた。
しかし、起工式から1年たった今、現実として工事は遅れをみせている。2019年の稼働を計画しているが、見通しは不透明だ。その要因としてはインドネシアの経済発展による地価の高騰を中国が予測できなかったことなどがあげられる。工業用地を確保できていない現状だ。
主に低コストを武器としている中国に対して、日本は安全性や正確性、性能の高さを武器にした「日本式」で「新幹線」輸出拡大を目指す。
タイのチェンマイ−バンコク間から、バンコク−マレーシア間、そしてマレーシア−シンガポール間で「新幹線」の採用が計画されている。インドでも「新幹線」の採用が決定している。また、アジアのみならず米国内や英国など欧州内でも鉄道受注は増加している。
その背景にはやはり「日本式」の評価の高まりがある。拡大するインバウンド市場の後押しもあり、認知が高まるとともに、各国で「日本式」の採用意欲が高まっているのである。ライバル中国を突き放し、「日本式」技術輸出の拡大が今後も期待できそうだ。
<DIGIMA NEWS編集部の視点>
アジア諸国での「高速鉄道分野」における〝受注競争〟の激しさは更に勢いを増している。
高速鉄道分野のならず、日本の技術力を象徴する「新幹線」(最高時速443キロ)は、それこそ世界にその名を知られているが、現在、今回のニュースに登場した中国は「復興号」、さらに韓国が「HEMU430X」という高速鉄道を開発することで、新幹線に迫る勢いとなっている。
ちなみに安倍総理大臣は、2020年を目安に、海外のインフラ案件の受注や投資収入を30兆円まで拡大したい考えを述べているが、2015年12月にインドの首都・デリーを訪問した際、インド初となる高速鉄道建設において、日本の新幹線方式を採用することで、モディ首相と合意している。
>>合わせて読みたい『東南アジアに輸出される新幹線技術、タイ−シンガポール間でインフラ改善』
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