欧州企業が、アフリカでのエネルギー開発を進めるのには3つ理由がある。
まず、アフリカ諸国の電力不足だ。現在、世界の15%の人口率を占めている一方で、その電力消費に占める割合はたったの3%だ。資金不足とインフラの未整備が原因で開発が進んでこなかった。特に地方地域においては、電力が届いていないところが数多く存在する。
一方、アフリカでは、2050年には人口が約25億人になると言われていて、それに伴い中間層や富裕層が増加する。そのため、今後もさらに電略需要が高まることが予測されるのである。電力不足で悩む中、資金不足やひとまずのインフラ未整備に苦しむアフリカ諸国では、再生開発エネルギーによる開発需要が高まっている。
2つ目は、アフリカ諸国での再生エネルギー開発の可能性だ。アフリカでは年間300日は晴れると言われている。その日照時間の長さによる太陽光からのエネルギー回収見込みは高い。アフリカ諸国内のみならず、欧州への、電力輸出拠点としての活躍も見込まれている。
最後に、やはり世界の環境ブームの影響だだ。「パリ協定」により、今後世界が地球温暖化対策に向かう中で、原子力発電開発や石炭火力発電開発などよりも、太陽光や洋上風力発電開発への需要が高まることは必須だ。欧州企業は、アフリカ諸国で地理的に有利である事を生かし、再生エネルギー開発で世界にその技術力を示すことで、技術力輸出の拡大にも繋げる狙いがある。
日本企業にとって、アフリカ諸国で再生エネルギー開発を主導するのは簡単ではない。やはり、アフリカ諸国は日本にとって地理的にも、潜在的にも「遠い国」だからである。
その一方で、今後、近場である東南アジア諸国連合の経済発展に伴う電力需要の拡大に対して、日本企業には再生エネルギー開発での活躍に期待がかかる。原発や火力発電の開発が主力であった日本企業には、再生エネルギー開発で先進する欧州企業のノウハウを吸収し、アジアでの技術輸出拡大に期待がかかる。
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