GDP数値のみを見ると、中国経済成長に衰退の影は見えない。しかし、実際には衰退の予感を感じさせる要因がいくつかある。
まず、中国では海外からの投資が減少しているのである。その原因として、土地や人件費の高騰により投資をしたとしても収益が上げにくくなっていることがある。また、政府が人民元安を阻止するために作った資本規制が外資企業に問題となっている。500万ドル以上の両替は事前に申請が必要となり、海外送金も制限されている。進出する外資企業にとっては大きな懸念点だ。
そして、不動産バブルは深刻な問題となっている。上海近郊には1億円以上のマンション住宅が溢れ、1年前と比べると園額は倍近くに膨れ上がっている。住宅の過剰在庫の処理による経済衰退の予測も見え隠れしている。
世界の巨大工場として成長してきた中国は、生産地から巨大な消費市場へと移行しつつある。しかし、現地進出企業にとっては上記の要因からリスクが大きくなっている。しかし、経済成長により個人の所得が上がった消費市場に対しての商機は間違いなく広がっている。今後、急速なインターネットの普及により、オンライン市場の拡大に期待ができそうだ。