ブラジル家庭で家政婦の仕事が減少の中、注目される簡単「和食」
ブラジルの大都市では普通の勤め人家庭でも、料理や掃除洗濯など日常の家事に家政婦(夫)さんを雇うことはごく一般的だ。しかしながらここ数年は、仕事を頼む回数をかなり減らしているようだ。人件費を含む生活費・物価高騰と不況による失業増加・収入の減少など、複数の要因による景気後退が関係しているとみられる。
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一方で、家事を初めて自分たちの手で行うという家庭が増えており、料理の基礎や洗濯機など家電の使い方を教える教室も増えてきている。
中でも食事については、料理に使う時間をどう捻出するか、調理時間をいかに短縮するか、勤め人にとっては切実な話である。
そんな中で、一つの選択肢を提示した日系ブラジル人の企業が注目を浴びている。
TVグローボの経済情報番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」が1月29日づけで伝えたところによると、電子レンジで調理可能なシメジがサンパウロの消費者の注目を集めているという。
サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市でパウロ・カワカミさんが経営する「ナユミ」はキノコ類の生産・加工・販売を行っている。
日本人移民や日系人コミュニティの長年の努力でブラジル、特にサンパウロ州では日本料理が定着し、シメジ、シイタケなどのキノコ類を使った料理も人気を博している。和食が世界無形文化資産に認定されたことや、近年の消費者の健康志向にもマッチしていることから、キノコ料理は年々注目を集めているようだ。
とはいっても、ブラジルではキノコ料理は日本食レストランで食べるもの、というイメージがまだまだ強い。
その状況でキノコ料理を家庭で簡単に味わえるように、とパウロさんが考案したのが電子レンジで調理できるキノコのパッケージだ。キノコは耐熱プラスチックのトレー入りで、パッケージには専用のソースがついている。
買ってきてラップをはがし、電子レンジに入れて3分、レンジから出してソースをかければ食べられる、という手軽さだ。
パウロさんはキノコと専用ソースのパッケージング設備に3万レアル(約108万円)を追加投資した。販売には工夫が必要だが、順調に投資回収が進んでいるという。
家庭でキノコを扱ったことがない消費者に買ってもらうには、単にパッケージして店頭に並べるだけでは不十分だ。パウロさんはブラジルではまだ珍しい「実演試食販売」を行い、販売を伸ばしている。
実演販売を受け入れてくれる小売り業者の選定、販売員の教育などの甲斐あって、顧客の反応は上々だという。3分で調理が完了する手軽さ、おいしさを実感した顧客はかなりの確率で商品を買い求めるという。実演販売を始めてから売上は12%程度増加したとのことだ。
和食が世界無形文化遺産となってから3年弱、ブラジル人家庭への和食の進出は始まったばかりだ。
Nayumi(ナユミ)
所在地:Av. Ricieri Bertaioli Junior, 70- Sítio Nayumi – Bairro Pq. Das Varinhas
Mogi das Cruzes/SP – CEP: 08753-310
電話:55-(11) 47210550/ (11) 95898-0262
SNS: https://www.facebook.com/NayumiCogumelos/?fref=ts
(文/余田庸子、写真/Reprodução/pequenas empresas & grandes negocios/TV Globo)
ソース:http://megabrasil.jp/20170208_33800/
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