ドゥテルテの対中国政策に対して「フィリピン世論」は反対大多数
フィリピンの前アキノ政権が、南シナ海における中国の侵略に対して毅然とした態度を取っていたのに比べ、昨年5月に新大統領となったドゥテルテは前政権の方針を完全に否定し、中国にすり寄る態度が顕著となっている。
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特に前政権が南シナ海における中国の領有権を巡って国際仲介裁判所に提訴した問題では、2016年7月に中国側の主張、根拠を完膚なまでに叩き潰す結果が出たが、中国は国際社会の批判をものともせず結果を黙殺。
ドゥテルテは最初の外遊先を中国とし、訪れたのは2016年10月になるが、フィリピンの民間調査機関が訪中2ヶ月後の12月上旬に行った、南シナ海問題に対する世論調査の結果がこのほど発表された。
これによると『仲裁裁判所の結果に基づきフィリピン政府は主権を主張すべきか』と言う設問では、賛成と答えたのが全体の84%になり、ドゥテルテが棚上げしているこの問題について、世論は辛い見方をしているのが明らかになった。
賛成の細部だが、大賛成が44%、賛成40%となり、反対は3%のみで残る12%はどちらとも言えないと答えている。
この調査結果は現政権の南シナ海問題に対する最初の世論調査結果でもあり、現政権の取り組みが不十分と疑問を呈する結果となった。
この結果に対して、政府側は『政権はフィリピンの主権を断念した訳ではない』と釈明し、『中国との二国間協議を進め、慎重に話し合いを進めるつもり』と述べているが、具体的に中国側とどのように交渉できるのかという内容は明らかにされず、実効支配を進める中国側に対して否定も肯定もしない立場を取っている。
こういった中国に対しての弱腰は、ドゥテルテが訪中して巨額な中国からの援助と投資を受けている『紐付き』のためとか、ドゥテルテの大統領選時の巨額な選挙資金はフィリピン経済を牛耳る中国系財界人から出ているため、中国には頭が上がらないと言われているが、真偽は定かではない。
今回の世論調査結果で見るように、ドゥテルテの進まない政策に世論はいらだち始めているのは確かで、現在7000人以上に達している『違法薬物関与者殺害』政策も殺害者数は増えたが徐々にその効果は薄れ、先は見えない。
また、当初期待された共産党系武装組織との和平、イスラム系武装組織との和平も、当初から後退していて華々しく登場したドゥテルテとしては苦しい状況が迫りつつある。
【写真は訪中時の中国側高官と。中国は最近アフリカで明らかになったように台湾との断交を条件に金を出す露骨な外交を展開している】
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=401
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