先行き不透明なEUとシンガポールとの自由貿易協定、塩漬けの可能性も
シンガポールが欧州連合(EU)と合意した自由貿易協定(FTA)の批准に法律面の問題が発生しており、批准手続きが順調に行われるか不透明な状況だ。手続きがしばらく凍結される可能性もある。
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欧州司法裁判所のシャープストン法務官は昨年12月、同FTAは欧州の貿易戦略に影響を及ぼすことが予想されるとして、発効に向けた承認手続きの簡素化は認められないとの見解を示した。法務官の意見に拘束力はないが、同裁判所の裁判官は法務官の意見に従うのが常だ。
同FTAは2014年10月に交渉を終了し、EU加盟国政府と欧州議会の承認を待っている。問題の核心は、FTAの締結がEU固有の権限なのか、EU加盟国の承認も必要な「混成」協定なのかという点だ。「混成」と判断されれば、欧州議会だけで決めることはできず、各国の議会の承認も必要になる。
欧州裁判所が法務官の意見に従った判断を示した場合、反グローバリズム感情の高まりを背景に、批准手続きは時間がかかるとオブザーバーは予想している。
また選挙や国民投票を控えている加盟国もあり、加盟国に批准を強く促すのは逆効果になる可能性があるため、アジア・トレード・センター(本部・シンガポール)のエルムス専務理事は、EUは批准手続きを当面凍結すると予想している。
ソース:http://www.asiax.biz/news/42126/
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