ロス氏は中国鉄鋼業の過剰生産とダンピング問題を挙げ、「中国は最大の保護主義国家だ」と批判した。中国鉄鋼製品のダンピング問題は世界各国が直面する問題で今後欧州連合(EU)との連携が必要だとの考えを示した。
17日に開催された世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)では中国習近平国家主席がトランプ氏をけん制する発言をしたばかりだ。両国は貿易に関して早くも舌戦を始めた印象を受けた。
また公聴会で、上院議員テッド・クルーズ氏が中国企業による米国企業買収について質問したところ、ロス氏は中国が米国の重要技術を獲得することや、中国企業がハリウッドへの進出に伴い米国の言論の自由への影響に対する懸念を言及した。
ロス氏は商務長官に就任した後、商務省の最重要な任務は米国の輸出を拡大し、貿易赤字を縮小することだと述べた。ロス氏自身の最優先課題は「北米自由貿易協定」(NAFTA)の見直しで、就任後速やかにカナダやメキシコと交渉をしていくとした。
一方TPPに関して、ロス氏は「以前TPPに反対しなかったが、内容をよく調べた後TPP批准に反対するようになった」「TPPでは加盟国が生産する自動車に対して、自動車の部品の5割を非加盟国から輸入することを認めるが、その自動車は関税ゼロの優遇を受けられるため、(米国の)自動車産業を保護する点から、最良のアイデアではないと感じた」とTPPの「原産地規制」を問題視し反対の立場になった経緯を説明している。
米フォーブス誌によると、投資家であるロス氏は個人資産総額25億ドル(約2875億円)以上。鉄鋼や繊維など業績の悪くなった会社の再建を次々と成功させたことで「再建王」と知られている。
ロス氏は自身が投資してきた企業は鉄鋼、繊維、自動車などの業界をカバーし、世界23カ国に進出しているため、日々処理した不公平な貿易取引件数が前政権の閣僚よりも多いと冗談を交えて、貿易に精通していると自信を示した。
ソース:http://www.epochtimes.jp/2017/01/26681.html