ミャンマー繊維製造協会の執行委員会メンバーU Aung Myo Hein氏は、Myanmar Timesに対し、過去8年間、ミャンマーの多くの工場が世界的に拡大していく社会的コンプライアンスの流れに乗り遅れていると語った。
2013年以降、およそ180の工場が社会的コンプライアンスに関して巻き返しを図っていると、U Aung Myo Hein氏は、3月に開催されるミャンマー国際繊維・衣料産業展示会2017の準備会にて語った。
「以降200以上のFDIによる繊維・縫製工場が開設しています。」
国内工場でコンプライアンスに対する取り組みがようやく始まったのは2015年になってからだった。
「我々は我々のペースで取り組んでおり、変化には時間がかかります。」とU Aung Myo Hein氏は述べた。
展示会に参加を表明したミャンマー企業はまだない。
U Aung Myo Hein氏によると、ミャンマーでも社会的コンプライアンスに関する世界的な動向を追っているという。
「国際社会からのプレッシャーが理由というわけではありません。」
「以前は社会的コンプライアンスに対する要件はありませんでした。2004年に経済制裁が課せられた時には生き残ることで必死でした。経済措置が解除されても、社会的コンプライアンスにすぐに取り込むことはできなかった。政府のサポートが必要なのです。」
商業省の貿易促進部門が発表したデータによると、10月時点の2016〜2017年会計年度の繊維輸出額は、前年同時期から847.74米ドル増となる9億4000万米ドルであった。
「しかしながら、CMPシステムによりミャンマーの実際の利益は合計の8〜10%程です。そのため実際の利益は1億米ドルほどだと思います。」とU Aung Myo Hein氏は述べた。
MGMAによると、ミャンマーには現在389の繊維工場があり、40万の雇用を生み出している。2010年の工場数は155であり、雇用数は9万4700であった。最大の貿易輸相手出国は日本(33%)で、2位がEUと韓国(各25%)、以降がアメリカと中国(各2.4%)である。
2015〜2016年の売り上げは180億米ドルであったが、2016〜2017年には220米ドルに到達するとMGMAは予想している。EUが経済制裁を解除して以降EU諸国に対する輸出が40%近く増加しており、今年は韓国を追い越すと予想されている。
現在ほとんどの工場は、生地の裁断、衣料の製造、梱包のみを行うCMT(Cut-Make-Trim)システムを採用している。MGMA CECのメンバーU Tun Tun氏は、現地工場が衣料を生産するだけではなく、自身のスタイルを展開し、生地を調達し、輸送まで責任を持つ、本船渡し条件(FOB)を採用すべきであると語った。しかしながら、FOBへの移行には難点もある。
「最低賃金が導入されて以降、将来的にどうなるのかを予測することが難しくなりました。生活費用は地域によって異なるため、仕事の種類や工場のロケーションに応じて賃金を決めるようメンバーにアドバイスしています。」
U Tun Tun氏によると、最低賃金における問題点は、国全体で同じ価格が適用となることであり、また制度見直しの場合も額が下がることがないことであるという。
「所得だけの問題ではありません。もし政府がその他の社会福祉を提供できれば、最低賃金額はそれほど重要ではなくなります。物価上昇をコントロールできれば、それも解決策の一つになります。」とU Tun Tun氏は述べた。
「我々は最低賃金に賛成ですし、労働組合も歓迎します。でもバランスは必要です。利害の対立が起こった場合は、交渉によって解決に達することができます。企業は社会的コンプライアンスへのキャッチアップに前向きではありますが、労働組合があれば流れをより早くすることができると思います。」とU Aung Myo Hein氏は述べた。
ミャンマー国際繊維・衣料産業展示会2017は3月29日から31日にかけてヤンゴンで開催され、インド、タイ、マレーシア、シンガポール、バングラデシュ、パキスタン、イタリア、スイス、トルコから80社以上が出展し、3000名以上の訪問客が参加する。
しかしながら、地元企業で展示会への参加を表明した会社はまだない。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2719.html