しかしながら、同時期に149の繊維工場が新設したという労働省のデータは伝えられておらず、結果としてプラスとなったという事実は正しく報道されなかった。
Sour報道官はデータに含まれる工場の規模や労働者数に関してはコメントすることはできなかったものの、カンボジア全体が繊維業界に感じている不安は根拠のないものであると強調した。
「工場の閉鎖数は繊維業界にとって問題ではありません。」「データを分析した結果、新設数の方が多く、工場の閉鎖数と新設数はバランスが取れたものでした。また繊維業では労働者数のバランスもきちんと取れており、仕事を探している人たちにとっても就職の機会は十分にあります。」とSour氏は述べた。
1000以上の工場を擁し6万人の雇用を抱えているカンボジアの繊維業界ではあるが、他の発展国と比較した競争力の弱体化の兆候を業界アナリストは常に警戒してきた。最大の関心事項としては、月間153米ドルまで急速に上昇した最低賃金が原因となり、工場が低コスト国に移転することはないかということである。
昨年8月カンボジア縫製業協会(GMAC)は、政治不信や労働不安、そして競争力の欠如がメーカーを(国外に)追い立てているという根拠を経営が見つけたとして警告を促した。
GMACのKen Loo書記長はその際、繊維や履物の注文数が20〜30%落ち込み、GMACの会員数も減ったことを明らかにした。
「カンボジアには競争力がなく、企業離れが進んでいくと我々は長年言い続けています。」「新規投資数は減少しており、既存の投資者も撤退しています。」と書記長は記者に向けて語った。
約1万名の労働者を代表するカンボジア労働組合連盟(CATU)のYang Sophorn会長は直近の賃金上昇にもかかわらず、繊維メーカーにとってカンボジアは依然として魅力的な低コストの発注先であると断言した。Sophron氏はまた、昨年の比較的高い工場の閉鎖数は、必ずしも倒産やよりコストの低い他国への移転を意味するものではなく、免税期間が終了した後に工場を閉鎖するという繊維業界全体で広く行われている慣習を反映したものであると述べた。
「多くの工場が5年間で閉鎖し、同じ場所や別の場所でまた再開します。別の名前ではありますが、同じオーナーです。」「これは政府への税金の支払いを回避するために行われるものです。」とSophorn氏は説明した。
Sophorn氏は、昨年CATUの加盟8工場が、新工場名で再オープンするためだけに閉鎖していたことを個人的に把握していると主張した。これは工場オーナーが税金や年功の給与スケジュールと福利を回避するための抜け道となるのである。
「我々は労働省に、同じロケーションに同じオーナーが再オープンする工場の数をなぜ記録しないのかと何度も問い合わせましたが、労働省は説明を拒否しています。」とSophorn氏は述べた。
労働省のSour報道官は、工場オーナーが制度を乱用しているという証拠をもし組合側が掴んでいるとすれば、それは商業省とカンボジア開発評議会(CDC)に提出すべきであると説明した。カンボジアには厳格な倒産の手順があり、労働者を保護する法律が整備されているとSour氏は述べた。
「工場閉鎖の場合も、経営側は労働者やその他の出資者に対する債務を全て果たさなければなりません。」とSour氏は述べた。
GMACのLoo書記長は、組合が何を言おうともGMACの会員データは嘘をつかないと述べた。
具体的な数字を提示することはなかったものの、「工場は再オープンしていると組合側は主張していますが、我々のデータはGMACの会員数が減少していることを示しています。」とLoo氏は述べた。「会員数が減少しているのは、注文数が減少している一方で最低賃金が上昇し続けたため、利益を上げることができず、閉鎖を余儀なくされたためです。」
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2708.html