世界が右翼派に傾きつつある現代、私たち日本人は「移民」や「外国人」にどのような対応をし、彼らにどう思われているのだろうか。ネットの「海外の反応記事」を見ていると、「日本人では人種差別が少ない」といったものをよく目にするが、これは本当なのだろうか。
そこで今回は、日本在住外国人のための情報サイトGaijin Potより、「日本は外国人に優しい国?(IS JAPAN FOREIGNER FRIENDLY?)」に寄せられた意見をいくつか紹介しようと思う。これらの外国人の意見を、あなたはどう思うだろうか。
SC4649さん
システマチックな人種差別だけを見るなら、日本は差別的な国ではないし、他の先進国と比べても変わりはないだろう。しかし、「カジュアルな人種差別や偏見」という話になると別だ。
カジュアルなレイシズムというのは、自分が差別をしていると自覚していないような差別のこと。例えば、「外国人は何となく信用できない」とか、「外国人は犯罪を犯す傾向がある」というような思想で、これは想像以上に多くの人が疑いもなく信じ込んでいる。
僕の周りの修士号や博士号を持った教育レベルの高い日本人でさえ、こういう考え方は「偏見ではない」と見なしていて、心底ショックだったよ。
Andreasさん
私はこれまで6か国で働きながら生活し、多くの国を訪れましたが、日本はこれまで行った国のなかで最も外国人嫌いの国だと言っていいでしょう。日本人は礼儀正しいので外国人旅行者は気が付かないことが多いですが、彼らの礼儀は表面的なフォーマリティーであって、本物のフレンドリーさからくるものではないんです。現実は多くの場合が正反対です。
誰かがあなたに微笑みかけて、お辞儀をしたからと言って、その人があなたに好意的だは限りません。実際は、早くあなたにどこかへ行ってほしいと思っているのですが、それを正直に伝えると失礼になるから、表面的に取り繕っているだけなんです。
JBS91さん
日本は大好きだし、日本人も大好き!でも、人種差別に関しては日本は本当に遅れていると思うわ。日本で引っ越しをしたときは、新しいアパートを見つけるのに本当に苦労した。ほとんどの部屋では、「外国人お断り」だったから。大阪では、秘密捜査員に呼び止められて尋問にあったし。なぜ私が呼び止められたのか制服警官に尋ねたら、「外国人は麻薬を売るから」って言われた。
日本は全てがレイシストってわけではないけど、「レイシストなポリシー」があるっていうのは間違いない。本当に残念だけど。ま、それでも、日本での生活は全体的に良かったと思う。
Tina Dawsonさん
私は自分の国で、多数派グループから差別されていると感じてから、「差別」について最近いろいろと考えていたところでした。でも、文句は言えません。私だって、「多数派」ですから。
去年、日本に住んでみて、「少数派」になるとはどういうことかというのを経験できたように思います。私はこれまで、何度か「これは日本社会では受け入れられない」と注意されたことはありますが、それ自体は差別ではありません。息子の教育に関しては、社会からの援助が少ないと感じましたが、それも私にとっては許される範囲です。私の国で、「少数派」が受ける扱いとは比べものにならないと思います。私たちは、日本で、日本人国籍を持った人と同じ権利と義務を持っていました。
私はこれまでに何度も日本に行きましたが、いつも歓迎されているように感じます。私たちが日本のようにやってみて、努力すれば、日本人からの尊敬は10倍になって返ってきます。私たちを歓迎してくれたコミュニティーは、日本での生活のルールを教えてくれたり、祭りに参加させてくれたりしました。これはどこの国でも同じことです。早くまた来年になって、日本に行って、新しい経験をしたいです。
Jakob Abrahamssonさん
日本は特別レイシストってわけでも、暴力的ってわけでもないし、おそらく生活するには世界で一番安全な国だと思うよ。ただ、日本人に、「外人でも日本人と同じように扱う」ってことを期待したらいけない。彼らにしたら、外人にしか見えないあなたは、どこまでいっても「日本人とは違う」のだから。
自分の国を選べなくて、「不公平」だとか「不平等」だと考えるのは、欧米的信念だ。あなたが感じることが、あなた自身。欧米の強い左派思考の人間が、自国からこのような思想を持ち出して、それが世界でも通用するかのようにふるまうけど、そうはいかないんだよ・
僕は日本に引っ越しても日本人のことを悪く言ったりしないし、自分を日本人と同じだとも思わない。日本の政治や日本文化についての意見も、聞かれない限り持たない。
日本に行って、日本のような保守的で誇り高い国でも左派思想を振りかざす輩は、恥を知るべきだ。
Javierさん
世界をいろいろと旅して、そこで多くの日本人と出会ってから、日本人は最もフレンドリーで感じのいい人だと思うようになった。だから5年前日本に行って、この国の素晴らしいホスピタリティを楽しもうと思ったんだ。
しかし、実際に行ってみたら、現地人は海外で会う日本人とは全然違っていてとても驚いたよ。言葉が通じなくて苦労したってのもあるけど、多くの人が僕のことをまるで猿を見るかのように見てきた。特に、中年のおっさんから。僕は大阪でのこの経験談を、友達にいつも話すんだ:
カウンターの席で一人、ラーメンを食べていた時のこと。僕の隣には50代のカップルがいた。奥さんの方が僕に微笑みかけ、英語で「箸を使うのが上手ね」と褒めてくれた。しかし、旦那のほうは奥さんの腕を何度も引っ張って、力づくで僕と話をしないようにしてた。
僕の旅行者としての失敗は、日本でも英語だけで通じるものだと思い込んでいたことだ。だから、次に日本を旅行するときは、もう少し日本語を覚えてから行こうと思うよ。
Ross Luxton Takiさん
日本に住む多くの外国人は日本語を話せるし、僕の友達ではペラペラな人も何人かいる。でも、ほとんどの外国人は「漢字」が読めない。漢字は大人が習うには、とてつもなく難しい。
僕は漢字を学びたかったし、実際、漢字の勉強を始めたんだけど、すぐに僕は日本で歓迎されてないんだって気が付いた。みんなただ、僕に我慢しているだけだ。今でも、日本はとても居心地が悪い。日本はもう少しで去るし、漢字を学ぶのも諦めてしまった。日本では人間扱いされている気がしなかった。「外人扱い」されただけだ。
Urubu Filmes TVさん
中部地方で暮らし始めて24年になります。これまで何度も日本人を理解しようとし、友達をつくろうとし、文化的に適応しようと努めてきました。しかし、これらの経験から「外人には無理」という結論に至りました。
日本人は、日本人を世界で一番優秀な人種だと思っているようです。前世紀にドイツ人がアーリア人を世界で最も優秀だと思っていた以上です。日本人は外国人を「サブ人種」のように扱い、まるで動物のように扱います。日本は外国人が生活するのに良い国だとは絶対に言えません。何にでもイエスと言えるイエスマンなら、話は違いますが。
rickkさん
20年前に日本で生活していた時は、日本が嫌いでした。多くの日本在住外国人が嫌に思うことが、私も嫌いでした。
しかし、それからアメリカに帰ってみて、白人男性として思うのは、僕が日本で受けた嫌な経験というのは、アメリカで有色人種が受ける経験と変わりないんだということでした。日本では、僕はトーテムポールのトップではないし、王様でもない。僕は締め出されていたのです。
今になって日本に行ってみて、僕も以前よりは大人になったし、日本の文化をより深く理解できるようになりました。今なら、僕だって尊重してもらえているとわかるし、どんなに頑張っても日本人には慣れないということだって理解できます。それに、僕だって日本人と同じになりたいとは思わない。日本のような安全で、きちんとしていて、他人を尊重し、外国人に好奇心を抱く人の多いこの国で、外国人としていられることが幸せです。
日本は、長年鎖国をしていた島国だということを忘れてはいけません。日本では、外人は「訪問客」なのです。
まとめ
彼らの主張では、「日本では、外国人は日本人と区別される」と強調したものがよく目につきました。日本で生活する限り、完全に日本人のなかに溶け込めることはないと感じている外国人が多いようです。
どこまでが「区別」で、どこからが「差別」なのかという線引きは、結構難しいと思います。他にも、面白い外国人の意見が多かったので、この続きは次回紹介します。
お楽しみに!
ソース:http://www.madameriri.com/2017/01/11/is-japan-foreigner-friendly/