一方、サンミゲルの業種はビール製造業最大手であったが、今はフィリピンを代表する複合企業になり、高速道路などのインフラ関連に力を入れている。
その2社が現在のマニラ国際空港が限界に近づき、新たな空港を造る動きに相次いで名乗りを上げている。
マニラ国際空港は4つのターミナルを持ち、国際線、国内線合わせて2015年に3668万人の利用者があった。しかしながら、最大処理能力は年間3500万人と見積もられていて、既にパンク状態である事が分かっている。
このため、ルソン島パンパンガ州にある元米軍飛行場のクラーク国際空港への移転など候補に挙がっていたが、マニラ湾を埋め立てて新空港を造る案が有力となっている。
新空港候補地はカヴィテ州サングレイ・ポイント一帯【写真】で、ここには戦前から飛行場があり、現在もフィリピン空軍が使用している。
SMの計画によると2500ヘクタールを埋め立てて、新空港建設とそれと同時に、現在のマニラ港に変わる新港、経済特区、住宅開発などを行い、その総額は最終的には500億ドル(5兆1千億円以上)に達する数字を見積もっている。
このため、SMは中国企業など数社と企業体を組んで取り組むことを発表している。
新空港に関しては着工後5年間で竣工し、国際線、国内線で利用客は年間7500万人と見込んでいる。
また、同時に造られる新空港からの高速道路はマカティ市の中心まで11分程度で行ける計画で、サンミゲルの計画では地下鉄建設も案に上がっている。
2社が新空港建設に手を挙げているが、その手始めに新空港予定地とマニラの既存の高速道路と繋げる総事業費100億ドルといわれるカヴィテ湾岸高速道路計画が具体化していて、2社が入札を巡って激突する様相を見せている。
なお、サンミゲルはフィリピンで有名な観光地ボラカイ島の空路入口のカティクラン空港の滑走路延伸、新ターミナル・ビル建設などのプロジェクトを進めていて、2年以内に大型機に対応できる空港になると発表されている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&command=body&no=308&