中国の縫製産業は米国やヨーロッパでの安価な衣類への需要に支えられ発展してきた。中国の繊維産業は最終製品の生産に特化しているため、ベトナム産糸への需要が発生する。
業界専門家の中には中国国内での綿生産が増加し価格が低下し、ベトナム産綿の競争力がなくなることを怖れる者もいるが、より多くの中国人が雇用と都会のライフスタイルを求めて都市に流出し、中国では需要を満たすだけの農業労働力の供給すら困難になっている。
縫製産業の将来がどのようなものになるかはまだ不明である。大きな影響を与える可能性があるのは米国での綿生産である。米国農務省が最近発表した報告書によると、米国での綿消費は減少している一方で、国内の綿花生産は増加傾向にある。その結果、綿の余剰で価格が低下すれば、繊維縫製産業に大きく依存する経済には多大な影響が出る可能性がある。
さらに人々が懸念しているのはトランプ次期大統領による貿易政策の転換である。もしそうなればすでに脆弱な市場にさらなる変動性が加わることになる。こうした意味でも米国の動向は東アジア地域の綿産業に影響を与えかねない。
現在紡績価格が非常に低いため、東アジア地域の縫製産業の状況は特に興味深い。紡績糸の需要は打撃を受けると多くが予測していたが、結果はその予測を裏切り、バングラデシュ、パキスタン、インドやその他諸国での需要は予測より高くなっている。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2696.html